今やNetflixは、ステイホーム生活の「心の支え」だ。そして嬉しいことに、2021年も引き続き、終わりの見えないパンデミックで沈んだ気持ちを救ってくれる秀作がラインアップされている。今春は、注目の新星ハードレー・ロビンソンや、アーノルド・シュワルツェネッガーを父に持つパトリック・シュワルツェネッガーのフレッシュな魅力を捉えたコメディ、万人に愛される子ども向け絵本が原作のスリリングな冒険物語など、退屈を吹き飛ばしてくれるだろう話題の新作映画が立て続けにリリースされる。早速、押さえておくべき4本の新作を見ていこう。
『好きだった君へのラブレター』(2018)と、その第二章『好きだった君へ: P.S.まだ大好きです』(2020)の続編にして最終章となる新作が、ついに解禁! 密かな恋心を手紙にしたためる引っ込み思案なヒロイン、ララ・ジーンを演じたラナ・コンドルと、体育会系の美男子、ピーター役のノア・センティネオに再会できるのは嬉しい限りだ。
今作で描かれるのは、大学進学を控えたララとピーターの自分探しの旅。二人はソウル、そしてNYへの旅を通じて、自分の将来を考え直す。マイケル・フィモナリがメガホンを取ったロマンティックなドラマを観て、しばし厳しい現実を忘れ、二人の恋愛模様にどっぷりと浸ろう。
主人公は、ハードリー・ロビンソンが演じる女子高生のヴィヴィアン。はっきり物を言うタイプの転校生(アリシア・パスクアル=ペーニャ)と親しくなったことをきっかけに、彼女は学校を支配する女性蔑視的なルールの理不尽さに気づいていく。現状を変えようと考えたヴィヴィアンは匿名で発行したミニコミ誌『モキシー』に怒りをぶつけ、フェミニズム革命を起こす。ジョセフィン・ラングフォード、パトリック・シュワルツェネッガー、ローレン・サイなど、脇を固める俳優陣も注目の若手が揃う。さらに、本作の監督を務めたエイミー・ポーラーが、1990年代にパンクロック・シーンから生まれたフェミニズムのムーブメント、ライオット・ガールに関わっていた過去をもつ母親役で出演しているのも見どころのひとつ。
エイミー・クラウス・ローゼンタールのユーモアたっぷりの絵本『Yes Day!(原題)』を読み、自分の子どもたちにも絵本の主人公と同じように、1年に1日だけ、親が何でも言うことを聞いてくれる「YESデー」を設けたというジェニファー・ガーナー。さらに彼女は、好きが高じて自身のプロデュースのもと本作の映画化に乗り出し、ミゲル・アルテタに監督を依頼。自ら母親役も買って出たという。そんな作品への愛が詰まった本作でジェニファーの夫役を務めるのは、エドガー・ラミレス。夫婦の3人の子どもたちをジェナ・オルテガ、ジュリアン・ラーナー、エヴァリー・カルガニージャが演じている。LAで24時間、何をしてもいい自由が与えられた子どもたちは、どんな冒険に繰り出すのか……? 家族で楽しめる作品だ。
原作となったエリザベス・ブランデージの戦慄のホラー小説『All Things Cease to Appear』(2016年)は、呪われた家を舞台に、未解決の殺人事件が主人公たちの生活に不吉な影を落とすというストーリー。シャリ・スプリンガー・バーマンとロバート・プルチーニが監督・脚本を手がけた映画版では、原作のホラー要素を引き継ぎつつ、アマンダ・サイフリッドとジェームズ・ノートンが演じる主人公の夫婦と彼らの間に生じる亀裂により焦点が当てられている。マンハッタンからハドソン川沿いの歴史ある田舎町に引っ越してきた二人だが、次第に結婚生活は破滅に向かい……。すべての謎が解き明かされたとき、観る者に「人間とは?」「生きるとは?」という深い問いを突き付ける、一筋縄ではいかない作品だ。
Text: Radhika Seth