NFTの最年少キュレーターとして活躍。
Profile
ダイアナ・シンクレア/ヴィジュアルアーティスト、キュレーター
NYを拠点に活動する18歳。2021年度の「YoungArts」ナショナルファイナリスト(写真部門)に選出。実験的なビデオアートとマルチメディアのレイヤリングを探求している。今年6月に開催された「Digital Diaspora」の展示とオークションのキュレーションを担当し、NFTの最年少キュレーターとして注目を集めた。
──NFTに興味をもったきっかけを教えてください。
デジタルアーティストとして、NFTとそのコミュニティは、私にとってごく自然で身近な存在なんです。だから、自分のキャリアを探求していく上でとても役立っています。私と同じように、新たなアートスペースを作ることに興味を抱く人々と繋がることができることも醍醐味の一つですね。
──NFT初心者にオススメのコミュニティやイベントは?
年に一度、6月19日のアメリカ奴隷解放記念日に「Digital Diaspora」というイベントを開催しています。2021年にNFTのスペースで行われた黒人アートの小さなエキシビションとして誕生し、今年は2,000人近くが参加する大きなイベントにまで成長しました。個人的には、このスペースに集まるコミュニティやさまざまな形態のアートをサポートし、融合させている素晴らしい例だと感じているので、NFT初心者に関わらず多くの人に見てもらいたいですね。私はイベントを開催するたびに、才能あるクリエイターが集まってくる環境を構築できていると実感しています。大きな目標を掲げ、それを実現するために小さな手段で始めたものが、Web3.0を通じて、人々のサポートや情熱によって時間とともに成長していく様子を見るのは、本当にうれしくやりがいを感じています。
初の個展とオークションに挑戦。
──最近、力を入れているプロジェクトは何ですか?
今、初の個展とオークションの準備に取りかかっています。NFTのスペースだけでなく、伝統的なアートの世界でも通用するような作品群をまとめるのは初めての試みなので、私にとって大きなチャレンジになると感じています。NFTは残念ながら、まだ美術館やギャラリーでは評価が高くないのですが、それらの空間でデジタルアートの存在価値を高め、定義できるような作品を発表したいと思っています。
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──若い世代の女性やLGBTQ+のアーティストで注目しているのは誰ですか?
ナイル・アシュレイの作品の大ファンです。ロンドンを拠点に活動するノンバイナリー・アーティストで、自分のキャリアにどうアプローチすべきかというお手本を示してくれる存在なんです。ポップカルチャーをはじめ、ストリートアート、AIなどの多様なストーリーを融合し、没入感のある独創的な世界観を創り出すので、見応えがあって面白いです。
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──Web3.0 / NFTの世界において、あなたが思い描くアフロフューチャリズムの理想形とは?
アフロフューチャーとは、黒人が永続的に繁栄していくことだと考えています。Web3.0は、黒人が富と名誉、そしてカルチャーを創造するために、グローバルなネットワークに深く関わることを可能にするツールだと感じていて。どこからでもアクセスできる無数の道が開けたい今、同じ志を持つ黒人クリエーターの理解者として、「Digital Diaspora」の発展と自身を成長させることが私の役割だと思っています。
Text: Kurumi Fukutsu Editors: Mayumi Numao, Saori Asaka, Masayo Ugawa
