浮遊感漂うインディーポップで春を感じて。
宅録アーティストだったモーリー・バーチは、デビュー後から新進気鋭の正統派シンガーソングライターとして注目されるようになり、最近では、アリアナ・グランデの「Needy」をカバーしたことで話題に。ビリー・ホリデーやニーナ・シモンに影響を受け、しっとり落ち着いたジャズ、浮遊感漂う遊び心あるポップソング、ヴィンテージロックなど、ジャンルを自在に操れるボーカルセンスの持ち主だ。
今年1月には、ジャック・テイタム率いるインディー・ポップユニット、ワイルド・ナッシング(Wild Nothing)と初タッグを組んだコラボレーション楽曲「Emotion」をリリースし、エレクトロニックサウンドでもその実力を発揮している。
グラミーアーティストの共演は、オールドスクールなラブソング。
ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークというグラミー賞受賞アーティスト同士がバンド“Silk Sonic”を結成し、今年3月に、期待のファーストシングル「Leave the Door Open」をデジタルリリースした。
ブルーノ・マーズ自身が手掛けたミュージックビデオを見れば分かるように、同曲は70年代へタイムスリップしたオールドスクールナンバーだ。オールドスクール熱が再燃する今にピッタリのメロウなトラックに、ロマンチックでスイートなツインボーカルが絡み合い、何度もリピートしたくなる最高に心地良いグルーヴ。極上のラブソングを春の新たな出会いと共に聴いて欲しい。
マルチプレーヤー同士が生み出す極上のハーモニー。
新世代の音楽シーンを牽引するヴィンセント・フェントンのソロプロジェクトFKJと、ギタリストでシンガーのトム・ミッシュの2人がコラボレートし、すでにYouTubeで5000万回以上の再生数を記録している人気曲「Losing My Way」。今年4月に12インチでリリースされ、更なる話題を呼んでいる。
同曲は、FKJの声がけで2016年にベルリンのRed Bull Studiosでレコーディングされた。ループするトム・ミッシュのヴォイスサンプルとギター、FKJがキーボード、サックス、ベースとマルチプレイを見せながら、2人の歌声が奏でるハーモニーが美しく、最高に贅沢な気分にさせてくれる。
世界の歌姫によるコラボレーションの最高峰。
今最もホットなコラボソングと言えば、2021年のグラミー賞で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞を受賞したレディー・ガガとアリアナ・グランデによる「Rain On Me」だろう。同曲は、5月にリリース予定のレディー・ガガの通算6枚目となるアルバム『クロマティカ』に収録されている先行シングルとしてリリースされた。
前向きになれるポジティブな歌詞、2人の個性が輝くパワフルなボーカル、そして、ハードなダンストラックがパワーを与えてくれる。
Z世代の強力タッグが生み出すフレッシュなダンスチューン。
iPhone12のCMに楽曲が採用されるなど、活躍が目覚ましい新世代のファンキー・ソウルポップシンガーのレミ・ウルフが3月にリリースした「Photo ID」でフィーチャリングしたのが、友人で、Z世代を代表するシンガーでラッパーのドミニク・ファイクだ。
ファンキーなディスコトラックに、子どものように無邪気で汚れのないレミの高音ボイスがフューチャリスティックな世界を作り出し、インテリジェンスなドミニクのラップが程良くクールダウンさせる。トロピカルなダンスチューンは新生活のフレッシュな気分にぴったりだ。
Text: Kana Miyazawa
