【五島リトリートray】 壮大な自然のエネルギーを体感するアイランドリゾート
2022年8月、長崎県・五島市に開業した五島リトリート レイは、眼前に雄大な海の風景が広がるラグジュアリーホテル。大小あわせて152の島々からなる五島列島のうち、最も大きな福江島の東南部に位置する。太古の昔の火山噴火によって生まれたごつごつとした黒い岩の鐙瀬熔岩海岸や、春から夏は一面の緑、秋は黄金色へと季節ごとに色を変える福江島のシンボル・鬼岳など、五島列島ジオパークの大自然に抱かれる。
レイの5タイプ26室の客室は、すべてが海に面し、空と海を分ける水平線が確認できるパノラミックオーシャンビューだ。露天風呂を全室に備え、潮風や波音を感じながらゆったりとリラックスすることができ、おひとり様向きの部屋タイプも用意されている。近海の魚介や幻の五島牛、島野菜といった地産地消の食材を活かした食も充実。まさにお籠り宿の理想形だ。
さらなるリラックスを求めるなら、壮大な自然に囲まれた島のエネルギーを享受できるレイ スパへ。日本一とも言われ、列島内に約900万本が自生する椿をはじめ、五島、長崎で育った植物のエッセンスを使ったオリジナルアロマに包まれながらのトリートメントはこの上なく贅沢な時間だ。
五島リトリートray
長崎県五島市上崎山町2877
Tel./0959-78-5551
料金/1人1泊51,700円~(2食付・2名1室利用)※2023年3月現在
https://goto-ray.com/
【MARUYO HOTEL】 洋の東西、過去と未来を行き来するアートに囲まれた宿
木曽三川の河口に位置する桑名の船着場の近くに、2020年10月に開業した一日一組限定の宿がマルヨホテルだ。桑名は木曽三川の水運を利用して、木曽桧などの良質な木材が集積した港。特に船馬町は多くの豪商が本家と蔵をかまえていた場所だ。材木商の丸与木材が、威信をかけて建てた築70年を超える本家をリノベーション。1階にはラウンジと2室のツインルームに露天風呂、2階はダイニングルームとライブラリーを備えた一棟貸しの宿に改装した。
客室は、マルヨホテルの近隣にある明治時代の洋館、六華苑を手掛け、鹿鳴館を設計したことでも有名なジョサイア・コンドルをオマージュ。白壁とヘリンボーン柄のフロアがクラシックな佇まいの洋室「room 0」と、床の間の黒漆喰の壁と、柔らかな光を通す障子の戸が印象的な和テイストの「room 1」の2室。客室の外にはヒノキの露天風呂も置かれている。
現代アートとアンティークの融合をテーマに、古今東西のコレクションが作り出す美意識に満ちた館内の空間は、名古屋市内で「Gallery NAO MASAKI」を主宰する正木なおがアートディレクションを担当。彼女がこだわる“知識のないゼロの状態で作品と対峙するアート体験”を具現化した。昔ながらの日本家屋の居心地のよさと細部までこだわったモダンな設えが、暮らすように籠る贅沢な一人旅を可能にしてくれる。
MARUYO HOTEL
三重県桑名市船馬町23
Tel./090-2773-0004
料金/1棟1泊88,000円~ ※2023年3月現在
https://www.maruyohotel.com/
【海椿葉山】 柔らかな湯と体にしみわたる料理に癒されて
和歌山県南部の南紀白浜は、その名の通り、白い砂浜が美しい関西屈指のビーチリゾートだ。その南紀白浜の中心部から、南へ10分ほど移動すると小さな温泉郷・椿温泉があり、海椿葉山にたどりつく。黒潮が打ち寄せ、岩場で波しぶきを立てる岸壁に建つ温泉宿だ。
設計を担当したのは竹山義二。煉瓦色の屋根と弁柄色の外壁を持つ、ユニークな楕円形の形状のサロンと、海に面した全6室が一直線に並ぶ長屋状の構造の建物は、2000年のグッドデザイン賞を受賞した。回廊の奥に位置する2つの浴室からも、太平洋の大海原を見渡すことができる。どちらの浴室にも、約32度の源泉かけながしの冷泉と加温した温泉の2つの湯船があり、時間をかけてゆっくりと交互に入るのがおすすめだ。椿温泉は、pH9.9のアルカリ性単純硫黄温泉。においはほとんどないが、湯に触れると独特のとろみがあり、肌にまとわりつくようなしっとりとした美肌の湯だ。
お籠り宿としての海椿葉山の評価を高めているのは、紀州沖の海で獲れる新鮮な魚介を中心に、地元の農家がその日に収穫した野菜など、地場の食材を活かした滋味深い料理。前菜とお造りにはじまり、焼き物、揚げ物と続く和洋折衷のコースは、派手なプレゼンテーションなどはないが、体の中にしみわたり、内側から整えてくれるようだ。
海椿葉山
和歌山県西牟婁郡白浜町椿1063-20
Tel./0739-46-0909
料金/1人1泊27,650円~(2食付・1室2名利用)※2023年3月現在
http://umitubakihayama.com/
Text: Yuka Kumano Editor: Saori Asaka
