BEAUTY / WELLNESS

QOLまで向上! 初ボトックスで実感した、予想外のウェルネス効果【エディター体験録】

アラフォーに差しかかりエイジングケアに本腰を入れたいと思いつつも、注入系治療への先入観から二の足を踏んでいた筆者。初めてトライするならば、腕の確かな医師に任せたい。そこで今回、自身もボトックスラバーであり注入系治療を得意とする美容皮膚科医のもとを訪ねた。

小学校低学年の子どもを2人抱え、毎日怒涛の日々を過ごすうちに、知らず知らず増えていた「表情ジワ」。鏡を見るときは、大抵渾身の「キメ顔」でシワには気づかないが、ノーマルカメラで写真を撮るたび、目尻にできるカラスの足跡やたるんでぼんやりした上瞼に絶望していた。

しかし注射を使って薬剤を皮下へ入れるフィラーやボトックスなど“注入系”治療に対して、「顔が動かなくなったらどうしよう」「一度打ち始めたら、一生やめられないかも」「不自然に顔の形が変わってしまったら困る」etc.、主に海外セレブの整形失敗例をネットで目にし、アンチエイジング治療全般に対してネガティブなイメージを持っていた。しかし、時間の流れにはどうしても抗えないもの。初めてだからこそ信頼できる医師の施術を受けたいと思い、前々から評判を聞き気になっていた六本木・今泉スキンクリニックの美容皮膚科医、藤巻あいら先生にコンタクトを取った。

藤巻先生は順天堂大学医学部卒業、現在も同大学院博士課程でボトックスの研究を行い、ヒアルロン酸・ボツリヌス注射のメーカーのアラガン社公認クリニカルトレーナーでもある、言うなればその道のプロ。と同時に自身も、「今後の人生で一つだけしか美容治療を受けられないとしたら?」という質問に「ボトックス!」と即答するほどのボトックスラバーなのだ。彼女の美のモットーは「5年先、10年先も見越した自然な美しさ」。さて、藤巻先生の手によって筆者も「ナチュラルな垢抜け顔」ゲットなるか!? いざ体験!

Photo: Courtesy of Imaizumi Skin Clinic

ボトックス治療のいろは

ボトックス注射は、ボツリヌス菌由来のタンパク質を投与し、筋肉の緊張を緩和する治療法だ。肩こりや、ふくらはぎ痩せ、多汗症対策などさまざまな用途で用いられるが、今回伺った今泉スキンクリニックは表情ジワやフェイスラインのリフトアップ、エラ(咬筋)への注入による小顔治療など、顔の美容に特化した施術が強みである。

施術プロセスはいたってシンプル。問診で、医師が患者の顔をしっかりとアセスメントし、どの部位にボトックスを注入すれば効果が出るかを確認する。マーキング、そして麻酔薬を塗布したら、いよいよ本番だ。筆者の場合は目尻と眉間のシワへの対策として左右の眉毛の上部に14単位(0.35cc)、Cゾーンに14単位(0.35cc)、また目もとの小じわ対策と潤い・弾力UPのため同アラガン社による新世代ヒアルロン酸「ジュビダーム®ビスタボライト」を左右の頬骨から目尻にかけて各0.5cc注入した。両者の同時施術は注入系治療に確かな腕をもつ藤巻医師、イチ押しの合わせ技。

施術自体は、麻酔と痛みを緩和するバイブレーションツールのおかげで痛みもほとんどなく(眉上など特定の部位は痛みが強かった)、わずか10分ほどで終了。術後は、内出血や注入した部位が一時的に重く感じるなどの軽微な副作用は生じるものの、筆者の場合は数日で解消された。

ボトックスがもたらした、予想外の好影響

<左>注入前。目尻と涙袋のあたりの笑いじわが目立つ。<右>注入から4週間後。笑顔は問題なく作れるが、どう頑張ってもシワが寄らなくなる。さらに眉毛の高さも均一に! Photo: Courtesy of Imaizumi Clinic

相変わらず家庭では、やりたい放題の我が子に対して発狂寸前の毎日だが、気づいたら眉間にシワを寄せる怖い表情ができなくなっているばかりか、娘には「ママは怒っても顔が怖くなくなった」と日記に書かれるまでに。そんなとき、藤巻医師のカウンセリング中のこんな言葉がふと頭に浮かぶ。

「ボトックス注入によって、うつ病患者の症状が大幅に改善されたという海外の研究結果があります。心と表情は繋がっているので、怒りや悲しみの表情が作れなくなると、脳もそういう感情を今抱いているという信号を受け取らなくなる、ということが理由として考えられています。ボトックスによってメンタルと表情の両方が同時に柔らかくなるなら一石二鳥ですね。そしてボトックスは打つ箇所や量を自在に調整できるので、顔を10年前、20年前に戻すのではなく、どちらかというと自然なエイジングを楽しめるものだと思います」

ちなみに今泉スキンクリニックでは、男性の患者の割合が他クリニックと比べて高い。特にビジネスパーソンなど年齢を重ねて立場が上がるほど、自身の表情が周囲にもたらす印象に配慮するからなのだろう。今回の体験企画を通じて、筆者も鏡の前での渾身のキメ顔に安住せず、第三者視点によるアセスメントを定期的に受けるべきだと改めて実感。そして、長年こじらせたボトックス恐怖症を無事に克服したことで、医療の力を借りた自然なエイジングケアに対して前向きになることができた。