学生ダンサーが「スローショー」でお出迎え
6月1日、昨年セネガル・ダカールで発表されたシャネル(CHANEL)の2022/23年メティエダール コレクションが東京ビッグサイトで再演された。
入り口にたどり着く前から、早速驚きが待っていた。ダカールでも披露された振付師ディミトリ・シャンブラスによる「スローショー」を洗足学園音楽大学、多摩美術大学、日本女子体育大学などに通う学生ダンサーたちがアスファルトの上で演じていたのだ。ゆっくりと身体を動かす彼らを横目に、招待客は両サイドにダカールでの「スローショー」の映像が流れる通路を抜けて、ベージュとブラックで構成されたミニマルな空間に設置された客席へ。
ジェニーやパク・ソジュンetc.、豪華セレブ陣も集結!
小松菜奈、BLACKPINKのジェニー、クリステン・スチュワート、パク・ソジュンら、豪華なセレブリティも揃い、ショーが始まった。
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『戦場のメリークリスマス』のメインテーマで開演
まずは、ギタリストのIchika Nitoらによって映画『戦場のメリークリスマス』のメインテーマが演奏される。ダカール同様大人数のダンサーたちがランウェイを駆け抜けた後は、Ichika Nitoのオリジナル曲「The World is still Beautiful」をセネガルをベースとするラッパーNIXが共にパフォーマンス。NIXが着席すると、ファーストルックが登場した。
ヴィヴィッドな色彩と豊かな装飾がキー
メティエダール コレクションは、2002年にカール・ラガーフェルドがスタート。プレタポルテでありながら職人技が駆使されているのが特徴で年1回12月に発表されており、シャネルと結びつきのある都市をテーマにしている。今回は、ダカールのムードが反映された1970年代の薫りが漂うデザインがシャネル傘下のアトリエによる手仕事によって表現された。
ショーが終わると、ランウェイの奥のスペースにステージがお目見えし、アフターパーティーに突入。背景のスクリーンには招待状と共に送られてきたシャネルが発行するマガジン『31 RUE CAMBON』東京版に掲載されていた、メティエダール コレクションを纏った『美少女戦士セーラームーン』のヴィジュアルが映し出される。
トップを飾ったのはガールズバンドのCHAI。「カワイイ」ルックスとは裏腹に、パワフルに場を盛り上げる。次のNIXは観客にもマイクを向け、会場が一体に。CHAI、そしてIchika Nitoともコラボレーションした。
BLACKPINKのジェニーがステージで熱唱
すると、楽器が全て片付けられ、ステージ上はスタンドマイク1本に。サングラス姿で歩いてきたのはBLACKPINKのジェニーだった。大歓声の中、往年の名曲「FLY ME TO THE MOON」と「KILLING ME SOFTLY WITH HIS SONG」に加えて、ソロ曲 「You & Me」を歌い上げた。
最後はフランスのデュオ、ポロ&パンによるコミカルな動きを交えたハッピームード満載のDJプレイ。途中から歌とダンスで参加したヴィクトリア・ラフォリも存在感を放った。
個性豊かなパフォーマーたちは、ときには自身のワードローブとミックスしながら思い思いにシャネルを身につけていたのだが、それぞれのスタイルにしっくりとなじんでいた。そして、それが彼らからほとばしる躍動感を制限することがないように見えた。デザインや装飾だけではなく、心地よさも重視するメゾンゆえのことだろう。
翌日は学生約350人を招待し、トークセッションを開催
翌日は、東京のファッション、アート、デザイン、ビジネスを学ぶ約350名の学生が招待され、シャネル ファッション プレジデントのブルーノ パブロフスキーを囲んで、クリステン・スチュワートや刺繍のアトリエ「モンテックス」のアーティスティック ディレクター、ディミトリ・シャンブラス、NIXらがトーク。ディミトリからは「東京では1週間をかけてダンサーひとりひとりと接して独自性を出してもらうことを試みた」、NIXからは「実はIchika Nitoのことは全く知らなかったが、芸術とは共有することだと考えているので自然とコラボレーションできた」「日本のマンガのファンで、ガンダムの像を観て興奮した」といった裏話が飛び出し、さらにNIXは、「2022/23年メティエダール コレクションによって適切な価値を見出せていなかったセネガルの手工芸が脚光を浴び、未来につながった」と謝意を述べた。
シャネル ユニバースでは、ガブリエル シャネルの精神を貫きながら、アーティスティック ディレクター、ヴィルジニー・ヴィアールのビジョンと世界中の才能が大胆につながり、熟練の職人技を尊重しながら新陳代謝が活発に行われている。今回のイベントを通して、その全貌をファッション関係者や顧客だけではなく、未来を担う学生にも伝え、対話をしようとする姿勢を改めて知ることができた。そして何よりも、参加者が皆楽しんでいた様子から、パンデミックを経たポジティブなムードへの移行を実感するのだった。
Photos: Fabian Parks Text: Itoi Kuriyama