冬の定番アイテムのニットは、デザインの選択肢が多いからこそ個性が出るもの。クワイエット ラグジュアリーのトレンドに乗ってベーシックを極めるか、はたまたアートワークのようなデザインに挑戦するか。ヴォーグ ジャパンのエディターが、今年狙っている最愛ニットをヒントに、ウィンターワードローブを計画して。
今年こそ、ロロ・ピアーナデビューしたい。そんな人におすすめの再生カシミアニット(Shunsuke Okabe)
ファッションの仕事を始めた時、「30歳になる頃には、無地のロロ・ピアーナ(LORO PIANA)が似合う大人になっているんだろうな」と妄想したものだ。実際には、ノーボトムルックで出勤してSNSでバッシングに遭っていようとは、当時の想像だにしていなかった。
最高級のカシミア、そして昨今ではクワイエット ラグジュアリーの代名詞として名高いロロ・ピアーナ。今手に入れるなら、断然狙い目は今年デビューしたカプセルコレクション「ロロ」だ。「ロロ」の製品に用いられるのは、使用されなかったカシミアのファブリック(製品の場合、ステッチやジッパーなどはすべて手作業で取り除かれるという)を、丁寧に繊維の状態に戻した上で、染色されていないバージンカシミアとブレンドした再生カシミア。再生とはいうものの、その美しい風合い、とろけるような手触りは、真新しいカシミアと全く遜色なし。エクリュやキャメル、グレーといったシックなカラーバリエーションも見事。ファースト・ロロ・ピアーナにぴったりの、タイムレスな一着だ。
問い合わせ先/ロロ・ピアーナジャパン 03-5579-5182
www.loropiana.com
ニット選びは着心地を重視。この秋はオーラリーのモヘアが気になる(Gen Arai)
ニットらしい素材感を活かした、やさしくてリラックスしたデザインが好きです。オーラリー(AURALEE)のニットは色も肌触りも、着たときのシルエットも大好きで、毎年少しづつ大切に集めています。この秋気になるのは、カジュアルななかにもキチンと感も漂うポロニット。カラーは気分も明るくしてくれそうな「JADE GREEN」をチョイス。南アフリカ産の柔らかなスーパーキッドモヘアを使用していて、毛足の長さと上品な光沢感がとっても素敵です。
問い合わせ先/オーラリー 03-6427-7141
https://auralee.jp/
可愛いだけじゃない、大人のボウに一目惚れ。ラバンヌのニット(Kyoko Osawa)
私は一枚で主張のあるニットが好きなタイプ。今季はロマンティックなボウを構築的なアプローチでデザインしたラバンヌ(RABANNE)のモヘアのニットを狙っています。クリエイティブ・ディレクターのジュリアンが「自分の考えを色、形、動きに落とし込んだ」と語っているように、歩く度にふわふわとボウの結び目が揺れ、優しいニュアンスを奏でてくれるところがお気に入り。極上の肌触りを約束してくれる毛足の長いモヘアも魅力的です。
そして、ランウェイで登場したこのコーディネートがとても新鮮。一見、ニット単品だと甘いムードを想像してしまいますが、カジュアルなスニーカーやビッグバッグを合わせて今季ならではの「ニュー・ベーシック」を目指したいです!
問い合わせ先/エドストローム オフィス 03-6427-5901
https://fashion.pacorabanne.com
デニム好きにはたまらない!KOTA GUSHIKENのほっこりなセットアップ(Mayumi Numao)
大のデニム好きにとって、「これは!」という逸品が具志堅幸太さんが手がけるニットブランド、コウタグシケン(KOTA GUSHIKEN)の「Hand Knit Denim-ish」。2023-24年秋冬の展示会で見て一目惚れしたセットアップで、忠実なまでにニットでデニムを再現しているんです。糸からオリジナルで手がけ、デニム特有のダメージ感を表現するために糸の芯は白いコットンで仕上げたというこだわりっぷり。細部に至るまでデニムの風合いが漂っているのに、どこかほっこりするのが具志堅さんのニットの魅力です。
一点一点ハンドニットで編まれているため、寸法通りにはいかないそう。正直、お値段も張りますが、作品を作るプロセスを経て作られているので、味わい深い抜け感のあるデザインは長く愛用できそう。インディゴブルーとグレーの2色展開。セットアップで着てもよし、上下どちらかをデニムに合わせるのも楽しそうです。
問い合わせ先/コウタグシケン
https://www.kotagushiken.com/
エコ意識の高さも魅力。RE/DONEのマルチカラーカーディガンで、冬のコーディネートをスパイスアップ(Yui Sugiyama)
レトロ感満載のリダン(RE/DONE)のカーディガンニットは、マルチカラーのパッチワークとボクシーなシルエットが秀逸です。2014年にLAでスタートしたリダンは、元々は、リーバイス(LEVI'S®)のヴィンテージデニムをリメイクして新たなデザインに生まれ変わらせることを目的にし、今やアップサイクルや再生繊維を使用したジャケット、Tシャツ、ニットなど多様なアイテムを展開し、サステナビルなものづくり、そしてモードなデザインがファッショニスタたちの心を鷲掴みにしています。
カーディガンはボタンを閉めてそのまま、または中にレイヤードするアイテムによって雰囲気が変わるので、一枚持っておくとスタイリングの幅が広がるお助けアイテム。ダークな色合いが多くなる冬のコーディネートのアクセントとして投入できたらと目論んでいます。
問い合わせ先/ファーフェッチ カスタマーサービス
https://www.farfetch.com