テイラー・スウィフトが全身フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)に身を包み、ニューヨークの街を練り歩く姿を見ることはそうそうあることではないが、クッキー・コーエンによるインスタグラムアカウント、@Youbelonginthisでは何でもあり得る。コーエンがフォトショップを駆使して作る投稿のテイラーが纏っているコーデは、すべて架空のもの。それも彼女がいつも披露している親しみやすいファッションではなく、アバンギャルドなガウン、ランウェイ級のセパレーツ、イット・ガールの愛用アクセサリーなど、どれもかなりモードだ。「周りに流されず、自分を偽らないスタイルを貫き通すテイラーが大好きです。でも、それと同時に、きっともっと攻めたルックも着こなせるから勿体ないとも思うんですよね」とコーエンはアカウントの趣旨について『Coveteur』に語った。
セレブに服を着てもらうことは、ブランドのビジネスモデルにとって重要だ。何せ着る人によっては、メゾンの知名度が急上昇する。例えば、ヴェルサーチェ(VERSACE)の“安全ピンドレス”を纏ったエリザベス・ハーレイ、エリー サーブ(ELIE SAAB)のネイキッドドレスを身に着けたハル・ベリー、そしてブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)を、“法廷ファッション”に取り入れたグウィネス・パルトロウなどなど。
あらゆるセレブとメゾンのペアリングを夢想することが多いUK版『VOGUE』編集部にも、コーエンのように、特定のスターに着てみて欲しいブランドがある。新進気鋭のデザイナー、トル コーカー(TOLU COKER)を纏ったキャサリン皇太子妃や、シュールな世界観が持ち味のスキャパレリ(SCHIAPARELLI)に身を包んだマギー・スミスなど、意外だけどどこまでもシックな憧れのコラボ5つをチェック。
ブレイク・ライブリー×アライア
「アライア(ALAÏA)を着たブレイク・ライブリーをぜひ見てみたいです。彼女はいつも自信を持ってルックを着こなしていますが、ピーター・ミュリエが手がける、体にフィットしたカッティングの服をワードローブに加えれば、さらに大胆な魅力にあふれるでしょう」──コマース・ディレクター、ナオミ・スマート
マギー・スミス×スキャパレリ
「マギー・スミスがスキャパレリを着ている姿を見てみたいです。単にかのロエベ(LOEWE)のキャンペーンに登場したからというだけではなく、彼女はどんな役も比類ないエレガンスとミステリアスな雰囲気を醸し出して演じ、スキャパレリのようなブランドと完璧にマッチすると思うから。正直、実際に叶ったら失神してしまうかも」──ソーシャル・ビデオ・クリエーター、ジー・ワライヒ
キャサリン皇太子妃×トル コーカー
「ほとんどのファッションエディターが、人生で一度は、もしチャンスがあったらキャサリン皇太子妃をどうスタイリングするだろうと妄想したことがあると思います。私が彼女に着させたいのは、新進気鋭のファッションブランドのトル コーカーです。イギリス系ナイジェリア人であるコーカーの2024年春夏コレクションは、エレガントなテーラリングが満載だったけれどひねりがあって、冒険心ある王室ファッションを作り上げてくれるでしょう」──コマース・エディター、ジョイ・モントゴメリー
リアーナ×エリー ミスナー
「エリー ミスナー(ELLIE MISNER)のボディポジティブなデザインは、リアーナのワードローブに加えられるべきです。体にフィットしたコルセットから、デミ・クチュールのガウン、繊細なメッシュのセパレーツまで、ロンドンを拠点に活躍するミスナーの作品は、彼女にとてもよく似合うはずです」──コマース・ライター、アリス・ケアリー
テイラー・ラッセル×タリア ビーレー
「『楽しむこと、もっと実験的になること』が2024年春夏コレクションのコンセプトだとタリア・ビーレーは言っていました。この表現は、テイラー・ラッセルのファッションへの姿勢と通ずるところがあって、彼女には、ブランドの最新コレクションに登場したストライプのストラップレスミニドレスを着てみて欲しいです」──コマース・ライター、アリス・ケアリー
Text: Joy Montgomery Adaptation: Anzu Kawano
From VOGUE.CO.UK