BEAUTY / WELLNESS

“砂糖断ち”をした私に何が起きたか──砂糖デトックスの効果とは?

砂糖のまぶされた「グミベア」が大好きなドイツ版『VOGUE』のエディターが、8週間にわたって“砂糖断ち”を試みた結果、頭痛の軽減、集中力の向上、体力の回復などさまざまなメリット感じたという。その実践方法と効果を専門家のアドバイスをもとに紹介する。
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一日中、お菓子漬けだった私が“砂糖断ち”を決めた理由

私が“砂糖断ち”を決行した2024年11月まで、まさかこんなことを書く日が来るとは思ってもいなかった。特に次に挙げる2点についてはもっとも私とかけ離れたものだと思っていた。1つ目は、8週間以上、精製された加工砂糖を口にしていないこと。2つ目は、以前食べていた砂糖の量を考えるだけで、歯が痛くなるように感じるようになることだ。

これから砂糖をやめた経緯について話す前に、まず告白しなければならないことがある。私は32年間、砂糖中毒としか言いようがない状態であった。車中やバッグの中にはいつも甘いものが入っており、無意識的に運転中や仕事中、Netflixを見ているとき、さらには散歩中でさえ、毎日お菓子を食べていたのだった。食事中にデザートを拒否する人や「もうお腹に入りきらない」と言う人に対しても過剰に大声で反応する自分もいた。

そして毎回スポーツをした後でさえ、お菓子を食べていたことも認めざるを得ない。私はジム終わりに近くのスーパーに立ち寄り、きゅうりとサーモンのほかに、できるだけ酸っぱいグミベアのパックを買い、それを家までの短い道のりで全部食べてしまっていた。その後、いわゆる“健康的な食事”を摂り、もちろん食後にはデザートを食べ、そして寝る前にも甘いものを食べていた。結果、昼間にも甘いスナックを食べることが普通であった私は、一日中甘いものを食べていたことになり、本当に不健康な生活をしていたと言える。

奇妙なことに私はティーンエイジャーの頃から健康やウェルネスに関してとても熱心だった。普通なら、砂糖は自分の好ましい健康的な食事法とは対立しているはずで、実際に多くの点ではそうであったが、残念ながらあくまでこれは“主食”に限ったことで、朝食、昼食、夕食は“健康的な食事”を摂りながらも、その間には砂糖を摂っていたのだ。

しかし、昨年次第に自分のコントロールが効かなくなってきていることに気づいた。これまでのライフスタイルでは体調が悪化し、頭痛がしたり、思考が曇って鈍く感じたり、集中力がなく気分が揺れ動いたり、常にお腹が空いているような状態になっていた。そして、私はついに思い切って砂糖と決別することにしたのだ。これはすでに砂糖依存症に陥っていた私にとっては簡単なことではなかったが、今では“クリーン”な体になったことで、砂糖がどれほど私を支配していたかがよくわかる。

砂糖依存症とは?

砂糖依存症とは、ほかの依存症と同じように、自分のコントロールを失うことだという。「まるで私たちが何かに駆り立てられているかのように感じたり、欲求を自由に選んだりコントロールしたりできなくなった状態を指します」と栄養士のハイケ・ニーマイアーは説明している。

また、量の増加も依存症の兆候となり得るそうだ。砂糖依存症と共に生きるということは、ジェリービーンズを一握り食べただけでは決して満足できないということーつまり常にもっと、もっと、求め続ける状態で、これは自身の不快感に繋がっていくだろう。「さらに重要な点は、人々が自分の依存症によって苦しんでいるということです」とニーマイアーは話す。「砂糖依存症の人々は、ほかの人が何の疑問もなく甘いものをたくさん食べる一方で、自分の止まらない欲求を自覚して、不快感を覚えている」とも。まさにこれは砂糖の過剰摂取をやめる前の自分そのものだった。

砂糖からの支配を乗り越えた、その先に……

砂糖なし生活の初日は、自分の習慣の深刻さを痛感した。仕事をしている間、何度甘いものを取りに立ち上がりたい衝動に駆られたことか。「私のお菓子はどこ!?」と心の中で叫ぶほど、それは強烈な欲求であり、強迫観念のようなものがあった。

その後の3日間は、自分の欲求と戦うのに大きな葛藤があった。カフェで同僚とコーヒーを飲みながら、あのとろけるチョコレートケーキを断るのがどれほど難しかったか、言葉では言い表せないほどだ。しかし、その欲求も徐々におさまっていくことになる。私はいつものケーキを無糖のアーモンドミルク入りのコーヒーや抹茶ラテに切り替えるという、良い気の紛らわせ方を見つけた。時に深呼吸をたくさんしながら……。

それでも、甘いものやその味が恋しくて一日に何度も考えたりと、思考はまだまだ甘いものに支配されていた。しかし、約1週間後突然、素晴らしい気分になったのだ。文章を書くときに集中力が増し、朝も目覚ましを何度も鳴らすことなくすぐに起きることができた。全体的に頭がすっきりし、体が軽く感じ、気分も晴れやかになったのだった。

砂糖の代替えとして何を食べる?

私は砂糖断ちをした以降、砂糖なしの食事を守り続けていることを誇りに思う。そのポジティブな効果は全く衰えることなく今でも続いている。毎日、以前よりもずっと集中できるようになり、体調が良くなったことを実感する。今や体が高加工の砂糖を常に処理していないおかげで、他の重要なことに使えるエネルギーが増えた。そして、体重を減らすことが目的ではなかったものの、少し減量ができたのは、毎日のカロリー摂取の多くがクッキーやキャンディー、ケーキ、アイスクリームなどの甘いお菓子が、いかに大きな割合を占めていたか明確になったからだ。

そして、私は砂糖の良い代替品を見つけることになる。私の場合、精製加工された砂糖を使った食品に限定して断っていたので、ヨーグルトにベリーとアーモンドバターを加えたり、リンゴにクルミを添えたりするのは、甘いものが欲しいときにぴったりの選択肢だった。また、TikTokで見つけた新しい秘密のアイデアも! デーツの中に少しバターやクルミを入れると、その脂肪源が血糖値の急激な上昇を抑えてくれて、さらに嬉しいことにクッキー生地のような味がするということを発見した。

健康的な砂糖の摂取量とは?

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とはいえ、私は恐らくまたいずれ、加工された砂糖を使った食品を食べることになるだろう。確かに、完全に砂糖を排除することが最も健康的だと感じるかもしれないが、現実的には完全に砂糖を断つことが難しい場合があったり、時折摂取することで精神的な満足感を得られたりすることもあるからだ。つまり重要なのは、砂糖の摂取量を適切に管理をしバランスをとること。過剰に摂取しないように注意し、代わりに自然な甘みを持つフルーツやナッツなど食べ物を楽しむことが健康的な選択といえる。

「世界保健機関(WHO)は、1日あたり25グラム、または大さじ2杯の加工した砂糖を適切な量として推奨しています」とニーマイアーは言う。しかし、この推奨を無視した場合、重要なのは消費量、つまり運動によってどれくらいの砂糖を消費するかということだ。とはいえ、それは思ったほど多くないと専門家は話す。「チョコレートバー1枚には約60グラムの砂糖が含まれていますが、1時間のジョギングで消費できる砂糖は約30グラムです」

砂糖の健康的な摂取量を決定するためには、健康状態ももちろん考慮しなければならない。彼女はインスリン抵抗性についても考えることが重要だと指摘する。なぜなら、それが個人にとって有害な砂糖の摂取量を決定する要因になり得るからだ。「2型糖尿病の人の大多数はインスリン抵抗性を持っており、この場合できるだけ少ない砂糖を摂ることが重要です」と話す。

科学者たちは一般的に、砂糖を完全にやめるようには勧めていない。それは現実的でなく、不健康な暴食や同様に問題のある代替品を摂取し逆効果をもたらす可能性があるからだ。「砂糖自体は本質的に悪いものではありません。確かに、少ない方が良いですが、やめることが目標ではありません。なぜなら、多くの人が他の何かに頼ることになってしまうからです」とニーマイアーは話す。

また、砂糖と健康的に上手く向き合う良い方法としては、適度な量をリラックスして摂取することが有効だいう。「仕事中やソファでおやつをつまむ代わりに、友人とともに太陽の下でたまにケーキを楽しむほうが良いのです」とニーマイアーは付け加える。砂糖には“楽しむための食べ物”としての側面があるということだ。

砂糖のデトックスについては、徐々に減らしていくことが簡単だと感じる人もいるかもしれないが、私にとっては容易ではなく、劇的に決別する必要があった。加工された砂糖を一気にやめ、たとえ数週間の短期間のデトックスであっても、確実に砂糖との健全な関係を再確立するために重要であった。おかげで今では、砂糖への欲求をコントロールし、抑えることができるようになったと感じている。

糖分を欲するメカニズム

ニーマイアーによれば、甘いものへの絶え間ない欲求は、主にタンパク質の摂取不足によって引き起こされることが多いそうだ。毎日の食事に十分なタンパク質を食事に取り入れていないと、すぐに砂糖を欲するようになる。これを栄養学者は『砂糖欲』と呼んでいるそうだ。「これはとても簡単に説明できます。タンパク質が不足していると、体が満腹感を感じず、空腹感が湧いてきます。この空腹感は砂糖で簡単に満たされますが、それでも体が実際に必要としているもの、つまりタンパク質は得られません」と説明する。これが悪循環を引き起こし、ますます空腹感と砂糖への欲求が増すことになるのだ。「砂糖を控えたいなら、タンパク質をしっかり摂ることが重要です。そうすることで、砂糖の欲求を抑えることが簡単になります」とニーマイアーはアドバイスする。

砂糖デトックス中に果物をやめる必要性はある?

私は今も少量の果物をヨーグルトに混ぜたり、食後に食べたりしているが、砂糖デトックスをしている期間中、果物も完全に避ける人もいる。その理由は、果糖が体内で加工した砂糖と似た作用をするためだ。ニーマイアー氏によると「フルーツの果糖は、1日2回、2ポーション(300g程度の果物=おおよそ2食分)を超えなければ問題ありません」とのことだ。

さらに、最も重要なのはフルーツをよく噛んで食べ、ジュースのような形で摂取しないことだと付け加える。「特にスムージーにマンゴーやバナナなどの果物が入っていると飲み物をクリーミーに飲みやすくするため、多くの糖分を摂取することになります」。ジュースやスムージーなど、果物が濃縮された形で摂取される果糖は、肝臓の脂肪化を引き起こし、2型糖尿病の前兆となることが証明されている。「飲み物で砂糖を摂ることは、肝臓にとって“砂糖の津波”のようなもので、それによって肝臓は脂肪を溜めやすくなり、砂糖を消化するのがだんだん難しくなっていくのです」と話す。

つまり、果物を食べたい場合はできるだけ噛んで食べ、1日に最大2回分までにし、できればデザートとして食べるのが理想的。これによって血糖値の急激な上昇を防ぐことができる。さらに「ベリー類のように、糖分が少ない果物は特に良いです」とも話している。

“砂糖断ち”をもっと簡単にする方法

では、砂糖を断つのをもう少し簡単にするための有効な方法は他にもあるのだろうか。砂糖は繰り返しドーパミンの分泌を引き起こすが、スポーツも同じ効果を発揮するため、砂糖摂取の代用になり得る。「砂糖はドーパミンによって私たちに良い感覚を与えます。スポーツも同じ効果をもたらしますが、より副作用が少ないのです」とニーマイアーは話す。大切なのは、過度に負担をかけたり、逆に物足りなく感じたりしない、適度なスポーツを選ぶのがポイントだそうだ。

“砂糖断ち”の期間はどのくらいが適切か

砂糖をやめた後、最初のポジティブな効果は通常2~3日後に現れるとニーマイアーは説明する。「逆に、砂糖が足りないと感じるようなネガティブな効果は、数時間後か1日以内に現れます。しかし、2日目か3日目からは気分が良くなり始めるのです。そして深い睡眠やリラックスができるようになるでしょう」とも。だからこそ、デトックスは辛抱強く続けてほしい。

砂糖デトックス中は、再発を防ぐために良い代替品を準備することが重要だ。もし食後に甘いものを欲しくなることが分かっているなら、すぐに加工砂糖を含んだお菓子に手を出さないように、あらかじめ代わりのものを用意しておくべきだ。例えば、ベリーを加えた自然派のヨーグルトや、私が実践しているように、ナッツを挟んだデーツ(ナツメヤシ)もおすすめだ。「ナッツ入りのデーツも甘いお菓子ですが、これは本当に価値のある自然な甘さで、十分楽しむことができます」と専門家のニーマイアーも話している。

ちなみに、デーツについて言えば、ペルシャ文化で育った私にとっては、ペルシャの食文化が健康的な食事と砂糖菓子の間を絶えず行き来しているため、甘いものへの愛情は確実に深まった。健康的な食事は結局のところ“バランス”が大事だといえる。これからも私はバランスのとれた健康的な食生活を続けていくつもりだ。

Text: Desireé Oostland Translation: Mika Mukaiyama
FROM VOGUE.DE

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