キーファー・サザーランドは『スタンド・バイ・ミー』(1986)の撮影中、リヴァー・フェニックスにギターを教えたそうだ。青春映画の金字塔として、今もなお人々に愛されるロブ・ライナー監督の本作は、リヴァー演じるクリスたち少年4人の一夜の冒険を通して、彼らの持つ痛みや成長を浮かび上がらせる。彼らをいじめる不良グループのリーダー、エースを演じたキーファーは、トーク番組「ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン」で、こう明かした。
「スティーヴン・キングの短編『ザ・ボディ』を基にした『スタンド・バイ・ミー』の撮影中、リヴァー・フェニックスはギターを練習していたんだ。実際弾いていたけど、とても上手だったよ」と回想。「僕が『スタンド・バイ・ミー』を弾き語りしていると、リヴァーが『メロディがいい』と言ってきた。彼は初めて聞いたらしくて教えてあげたら、そこにロブ・ライナーが通りかかって、『ずいぶん聞いていなかったけど、いいね』と言ったんだ。その時はそれだけの話だったけど、その後にロブ・ライナーはあの曲を作中に使い、タイトルも『スタンド・バイ・ミー』に変更した」
ホストのジミー・ファロンが興奮気味にその時のエピソードが影響してタイトルが変更されたのかと質問すると、キーファーは「わからない」とコメント。「知っているのは、そんなやりとりがあったということだけだ」
本作で、心に痛みを抱えたクリスを繊細に演じブレイクしたリヴァーは、『旅立ちの時』(1988)でアカデミー賞助演男優賞に候補入りを果たし、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)では若き日のインディ役に抜擢。また『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)では、ヴェネチア国際映画祭で男優賞やインディペンデント・スピリット賞を受賞するなど、目覚ましい活躍を見せた。しかし人気絶頂の1993年、ウェスト・ハリウッドにあるジョニー・デップ経営のナイトクラブ、ザ・ヴァイパー・ルームで麻薬の過剰摂取で倒れ、この世を23歳の若さで去った。
Text: Tae Terai
