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「自分に嘘をつかなければ、すべての人にも誠実でいられる」──自己肯定感を高めるリゾの金言集

「あなたは美しい」「あなたはなんでもできる」とファンに伝え、前向きな生き方や楽曲、パフォーマンスを通してセルフラブを提唱してきたリゾ。フジロックフェスティバルで初来日する彼女から、自信や勇気をもらっている人も多いはずだ。“ボディ・ポジティブ”ムーブメントのアイコン的存在であるリゾが、これまで発信した自己肯定感を高める言葉を振り返る。

勇気をくれるワードが散りばめられた楽曲

Photo: Kevin Mazur/Getty Images

今年35歳になったリゾは2013年にソロデビューをし、2019年のアルバム『Cuz I Love You』が大ヒットして世界的に知られるスターになった。彼女の楽曲の中にも、多くの人たちをエンパワーする印象的なリリックが登場する。その代表が、2019年のヒットアルバムにも収録されているヒットシングル「Juice」のこのフレーズだ。

私はただのスナックじゃない。
見てベイビー、私は大盛定食よ。

どんな高級料理にもなれるのに、なぜパンくずに甘んじなくてはいけないのか。リゾ流のひねりの効いた言い回しに、多くの人たちが拍手喝采をした。

また、体型や外見など、さまざまなことを気にしていた自身の過去の心配を捨て、ありのままの自分を楽しむ「そういう頃合い(About Damn Time)」と歌った楽曲「About Damn Time」は、今年の第65回グラミー賞で年間最優秀レコードに輝いている。

自分を愛することは生きるための決断

Photo: Emma McIntyre/Getty Images

リゾも最初からポジティブに生きていたわけではなかった。しかし、あるとき自分に2つの問いかけをしたことがきっかけだったと、2019年のNBCのインタビューで語っている。

「自分を愛することは選択ではなく、私の場合は生きていくため決断だったと思う。自分を愛することは、2つの問いに対する答えでした。①あなたは自分を受け入れて生きたい? なぜなら、一生この人として生きるのだから。②あるいはただ虚しさと自己嫌悪に苛まれたままの空っぽの人生を送る? 私は前者を選んだので、自分を受け入れなければならなかったんです」

しかし、リゾが支持されるのは、ポジティブな言葉をただ発信して終わるわけではない。同じように悩んでいる人たちを置いてきぼりにはしないのだ。

「私の仕事はセルフケアについて、もっと広い範囲で推進運動を行っていくことだと思っています。今はセルフケアについて語るのが主流だからという理由で終わりたくない。『自分を愛してあげて! じゃ、またね』ではなく、人に聞かれたときにどうやって自分を愛するか、その答えをしっかりと提示することが大切だと思っています」

「身体にまつわる言説にはうんざり」

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2023年の1月には、自身のインスタグラムの動画で、人々の身体的特徴に関するにコメント、特に有名人に向けられるコメントがあまりにもバカバカしいと語った。

「『太っている頃のあなたが好きだったのになんで痩せちゃったの?』『大きくなっちゃって。痩せた方が健康のためにもいいと思うよ』……。アーティストはあなたたちの美の基準に合わせるために存在しているわけじゃない。アーティストはアートを生み出すために存在していて、このボデイこそがアートなの。そして、私はこの身体で自分がやりたいことをやるだけ」と主張。さらに動画をこう締めくくった。

「そのコメントにお金が発生すればいいのに。そうしたら、間違ったことにどれだけ時間を浪費しているかがわかるから」

リアリティTV「リゾのビッグスター発掘」にて

Photo: JC Olivera/Getty Images

2022年のツアーに向けて、ビッグサイズのダンサーを公募したリゾ。そのオーディションの様子を追いかけるアマゾン配信のリアリティTVが、「リゾのビッグスター発掘」だ。この中で、ケガをする恐れもあったのに、無理をして頑張ってしまったダンサーに次のひと言をかけた。

「何をしているとかは関係ない。あなたは、あなた自身でいるだけでもうスターなの。だから、自分の体を大切にすることが一番大事」

スターとしての自身の役割

Photo: Frazer Harrison/Getty Images

スター街道をまっしぐらに突き進むリゾが、2019年に『ローリング・ストーン』誌のインタビューで、いかにして名声に対処しているかと問われたときには、こう答えている。

「決断を迫られたとき、いつも正直な道を選び、自分自身に正直であることを心がけています。なぜなら結局のところ、残るのはそれだから。自分に嘘をつかないということは、すべての人にも誠実でいられるということなんです」

アンチに対する真実

Photo: Kevin Mazur/Getty Images

Netflixシリーズの「デヴィッド・レターマン: 今日のゲストは大スター」では、自分自身に対する自信と自己価値が、いかにしてアンチコメントに勝っているかを熱弁した。

「世間は自由に生きている人を見ると、その人を変人扱いしたり、社会のはみ出し者のように扱いたがる。悪い意味でなくても、『彼女たちは特例だから、自分たちとは違う』というように。そこには、もちろん嫉妬心もあると思います。でも、私は嫌われても傷つかない。私は自分がきれいで、ビッチで、成功していて健康だってわかっているから。悪口を言ってくる人たちよりも、身体的にも、精神的にも、経済的にも、あらゆる面で上をいっているってわかっているから」

Text: Rieko Shibazaki