「自分の可能性が広がるのはすごくうれしい」
『東京リベンジャーズ2』前後編、『わたしの幸せな結婚』、「いちばんすきな花」など、話題の映画やドラマに何作も出演した。「とにかく走った印象があります。2023年はとても充実した年でした」とにこやかに話す今田美桜。「本当に幅広い役に挑戦させていただきました。新たな役に挑戦する際に不安がないと言えば嘘になります。でも自分の可能性が広がるのはすごくうれしいことなので、期待のほうが大きいです」「不安を解消するためのコツは?」と訊くと、「ないので知りたいです」と笑顔を浮かべた。「このお仕事は自分ひとりでやっているわけではありません。もちろん準備した分だけ不安は減りますが、いくら台本を読み込んだとしても現場に行ってみないとわからない部分が大きい。共演者やスタッフの方々に委ねる気持ちで臨み、現場で掴んだ要素も生かして役を作っていきたいと考えています」
俳優をやる上で「柔軟であることと楽しむこと」を大事にしている。「固めてしまうと、『こうやってみて』とお願いされたときにどうしていいかわからなくなってしまうのが怖い。余白があったほうがさまざまな方向に進めますし、自分が知らなかった新しい一面を発見できて、その後のお芝居にも生かせるという経験を重ねてきました。そして、せっかく好きなお仕事をさせていただいているので楽しみたいんです」
「感情のエネルギーが役の振り幅に繫がるといい」
柔和でナチュラルな雰囲気にあふれながらも、確固たる芯を感じさせる。ドラマ「3年A組──今から皆さんは、人質です──」(19)との出会いが大きかったという。「強さと孤独を抱えた役を演じる中で、『自分のお芝居で合っているのかな?』という葛藤がありました。でも撮影の最後にプロデューサーさんが『この先お芝居のことでいろいろなことを言われるかもしれないけれど、絶対にそのまま進んだほうがいい』と言ってくださった。『自分を信じていいんだ』と思えてうれしかったです」
役者の醍醐味を聞くと、「自分ではない誰かを演じ、自分が経験したことのない感情を表現することがあるにもかかわらず、素直に笑えたり、泣けたりするのがすごく不思議。あと単純にみんなで何かを作るのが楽しい」と語った。ただ、自分がどんな人間なのかははっきりとわからないという。「感情の浮き沈みがないように見られがちなのですが、自分では喜怒哀楽は激しいほうだと思っています。自分に対して悔しさを感じたり、腹を立てることも少なくない。でも、そのエネルギーが役の振り幅に繋がるといいかな」
24年の抱負は「“健康”です」と笑って応じ、「これからいろいろなファッションにも挑戦していきたいし、語学も勉強していきたい」──そう話す表情は、透明感にあふれ、生き生きとしていた。
Profile
今田 美桜/俳優
1997年、福岡県生まれ。2021年、映画『東京リベンジャーズ』で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。22年、「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」でドラマ初主演。23年は映画『東京リベンジャーズ2』の前後編と『わたしの幸せな結婚』が公開、ドラマ「ラストマン─全盲の捜査官─」「トリリオンゲーム」が放送。放送中のドラマ「いちばんすきな花」ではクアトロ主演のひとりを務める。
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Photos: Yuki Kumagai Styling: Ayumi Hamamoto Hair: Takayuki Shibata at Signo Makeup: Kie Kiyohara at Beauty Direction Text: Kaori Komatsu Editors: Yaka Matsumoto, Rieko Shibazaki