「リアーナはメットガラに登場するのだろうか、それともしないのか」──そんな悩みは慣例となりつつある。音楽、ファッション、そしてビューティ界の大御所は、いつだってレッドカーペットを最後に歩く(多くの場合、他の人が退場したあとに)。だからこそ、彼女の熱心なファンたちは、公式ライブストリームが終わりに近づいたとき、カーライルホテルの出入り口に視線を移した。
そして午後10時、リアーナとエイサップ・ロッキーが、カール・ラガーフェルドへの敬意を表したルックでホテルを出るところを目撃された。
カールがデザインし、ナオミ・キャンベルがランウェイで着用したフェンディ(FENDI)の97-97年秋冬コレクションのファーコートを着たリアーナは、ヴィンテージの魅力を体現。ダイアモンドのネックレスを重ね、ココ・シャネルが愛したシャネルの代名詞のひとつであるカメリアのイヤリングを身につけた。また、白いアイシャドウと大胆な赤いリップは、リアーナのクラシカルなビューティールックだ。
一方、ロッキーはカールがまとっていたアイコニックな衣装から着想を得て、黒のブレザーと白のボタンダウンに黒のレザータイを合わせ、この日のためにグッチ(GUCCI)がデザインしたキルトを身に着けて登場した。
ラガーフェルドのスコットランド愛は広く知られており、2004年に東京で行われたシャネルのランウェイでも、赤いタータンチェック柄のスカートを着用していた。リアーナ同様に、ロッキーもまた、グッチのベルトを重ねたり、ディアマンテ・スタッズのジーンズを履いたりして、このスタイルを2023年流にアップデートした。
そして衣装チェンジをしたリアーナは、まつ毛をあしらった遊び心のある白縁のアイウェアをかけてメトロポリタン美術館のレッドカーペットに登場。
500枚の花びらでできた30輪の巨大なカメリアがついたケープに、大きく広がるトレーンが特徴のヴァレンティノ(VALENTINO)のシルクフェイルドレスを着た彼女は、この夜の最も注目すべきブライダルのトレンドセッターにもなっただろう。第2子の誕生を控えたリアーナは、ケープを解き、ドロップウエストでお腹の膨らみを強調した。二人はファッショナブルに遅刻したが、待つだけの価値はある装いをみせた。