まずは昔ながらのお掃除術を再評価!
今、自然界に存在する重曹やクエン酸を活用した昔ながらの掃除方法も再評価されている。「使い方がよく分からなくて……」という人は、まず、それぞれの成分の特徴を頭に入れた上で、汚れを中和してから浮かせて落とす、というイメージを持つといいだろう。
クエン酸は酸性なので、アルカリ性の汚れ、例えば水垢などを落としてくれる。一方、重曹はアルカリ性の性質を持っているため、油脂を乳化し、タンパク質を分解する特徴がある。さらに重曹で落としきれないような汚れは、同じくアルカリ性の性質を持つセスキ炭酸ソーダを使うとよい。
目安として、ぬるま湯200mLに対し、クエン酸は小さじ1、重曹は大さじ1を溶かし、スプレーボトル等に入れる。浴室の鏡についた鱗汚れや、キッチンの水垢、トイレの黄ばみなどには、クエン酸スプレーをふりかけ、汚れを中和したところで綿の布やヘチマたわしなどでこすると汚れが落ちやすい。コンロ周りや電子レンジの中についた油汚れには、上述したように重曹スプレーが力を発揮する。さらに重曹は皮脂などによる汚れやヌメリなどにも効果的なので、洗剤の代わりに洗濯機に重曹の粉をいれて洗濯槽の洗浄を行ったり、風呂釜の残り湯に重曹を溶かし、その中に椅子や洗面器などをつけ置きしておくと、後は洗い流すだけキレイになる。フローリングなどの床は、重曹スプレーで拭き上げ、その後クエン酸スプレーで仕上げると、足元がサラサラになって気持ちが良い。どちらも薬局やスーパーなどで手に入り、コスパもよいので長く続けられそうだ。
ホタテパウダーのリピーター続出。絶大な人気を誇る日本発のマルチプレイヤー
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国内の水産物の中でも輸出額が最も多いホタテ(水産庁より)。その分、ホタテの貝殻は水産系廃棄物として毎年たくさん発生し、処分できない場合は土壌汚染などが懸念されてきた。しかし、今は重要な資源として見直され、エコな洗剤として大人気商品となっているのが、ホタテの貝殻を高温で焼いて粉末状にしたホタテパウダーだ。ホタテ貝殻に含まれる水酸化カルシウムが汚れを落とし、粉末を水に溶かして使うと重曹よりも強アルカリ性なので洗浄力が強い一方で、皮膚への刺激は蒸留水以下。肌や衣類にも優しく、洗浄・除菌を同時に行い衛生的と良いこと尽くしだ。野菜について微量の農薬などを落とすために使うこともできる。
掃除に便利なのは、スプレーボトルを使うこと。1Lの水に対し、ホタテパウダーを1gをボトルに入れて溶かせば完成。ウォーターレスで無駄がないのも嬉しいポイント。あとは普段のお掃除同様にスプレーして布巾で拭き取り。もしくは、ホタテパウダー水に布巾などを浸して水拭き。トイレにお風呂にガスコンロに、これで家中丸ごと洗っています、なんて人も多いんだとか。レンジフードの掃除をするときは、お湯に溶かし入れてつけ置きしてから掃除をすると、汚れが落ちやすくなり作業の時短に。注意すべき点としては、アルミ製品や革製品には使用しないこと。
また、普段の洗濯にも使用することもでき、服のダメージを抑えながら、皮脂汚れや匂いもさよならできるので、一度使い始めると一年を通して活躍するオールラウンダーになること間違いなし。
多用途に使えてよく落ちる頼もしい相棒
急速に合成洗剤が浸透した1980年代、テレビに映し出された泡だらけの東京・多摩川や隅田川などの映像を覚えている人もいるかもしれない。こうした洗剤による環境汚染への懸念から、その後日本では、石油由来の洗剤に代わって環境負荷の低い洗剤の使用を呼びかける動きが広がった。しかし一方で、石油系洗剤に比べて自然に優しい洗剤は洗浄力に劣るという課題も。「自然洗剤バード(birds)」は、こうした悩みを解決すべく誕生した。
バードは、少量でも高い洗浄力を持つのが特徴で、3つの異なるイオンから構成された純植物油脂の界面活性剤が汚れを包み、洗い流す仕組みだ。一般財団法人日本食品分析センターでもその安全性は証明されており、野菜についた泥などを落とす際にも使えて、敏感肌の人や子どものおもちゃの手入れにも安心して使うことができる。ほかにも、洗車や窓拭き、洗濯など、マルチに使える頼もしい味方。石鹸カスもないため黒カビや黄ばみの心配もないし、排水は微生物によって100%分解されるため、地球を汚す心配もない。
ガラス窓や鏡も、クリアでクリーンに
100%自然エネルギーで作られたドイツ発のオーガニック洗剤「ソネット(sonett )」。詰め替えサービスを日本各地で展開し、エシカル洗剤の人気ブランド。当然ながら、合成界面活性剤をはじめとした化学物質は不使用なので、環境汚染の心配は少ない。もっと言えば、可能な限りバイオダイナミック農法やオーガニック栽培の認定を受けた原料を用い、すべての原料が天然成分。排水は微生物に分解され、すばやく自然に還るようになっている。
テラスやベランダなど、窓ガラスは外に面しているからなお一層環境負荷の低減は徹底したいところ。使い方は一般的なガラスクリーナー同様、ガラスに直接スプレーして乾いた布で拭き取り、二度拭きは不要。有機ラベンダーと有機レモングラスのさわやかな香りにもホッとする。
体も家もこれ一本! アメリカ発の万能洗剤
サステナビリティに配慮した生活を送る人々の間で高い支持を得ている洗剤といえば、ドクターブロナー(DR.BRONNER'S)の「マジックソープ」。ココナッツオイルやオリーブ油、ホホバオイルなど、肌や環境に優しいオーガニックの原材料は、すべてフェアトレードプロジェクトを通じて調達されているというこだわりよう。もちろん、合成界面活性剤や合成保存料なども一切使われておらず、USDA(米農務省)が定めるオーガニック認証をはじめ、環境保護の証となる11の認定を受けている。
マジックソープと名付けられているだけあって、多様なシーンで使えるのも人気の秘密。フェイスウォッシュやボディソープ、ペットのシャンプーとしても使えるだけでなく、洗濯用洗剤や食器や食材の洗浄、トイレやシンク、排水溝などのクリーニングまで、なんと10通りもの使い方ができる。用途別の洗剤を揃えることに辟易している人は、ぜひ一度試してみよう。
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Text: Mina Oba
