回す、伸ばす、意識する。本来の長さへリリース
すらりと伸びた二の腕を目指すなら、頭もセットにして考えるべきだと話すのはボディーワーカーの森拓郎さん。「肩が巻いてくると圧迫され、ひじもねじれて短くなった状態で腕が固まっています。腕を体の横に広げて胸を開き、手のひらを外に向けるだけでもひじや手にぴりっと走る感覚があったら要注意です」。手と肩の位置はそのままで、ひじの内側が正面を向くように捻ってみよう。体に埋もれていた腕が少しずつ引っ張り出され、長くなるようなイメージができればOKだ。
サロンの顧客からよく「二の腕が気になる」という相談を受けるエステティシャンの田中由佳さんがレコメンドしているのは、大胸筋のマッサージと腕回し。腕も、肩周りも整うというから一石二鳥だ。「凝り固まっていると感じたら、指先で軽くデコルテをほぐすのがおすすめ。二の腕の厚みが目立つようであれば、腕回しが効果的です。前から後ろに回転させて、後ろに広げたらその姿勢を数秒キープしてみてください。脇は老廃物排出の要となるリンパが集中しているパーツなので、この腕回しを3回やるだけでも流れが変わってすっきり整い始めます。腕のラインが整うと服がグッと着映えするようになりますよ」
肩周りを解放してリラクシーなムードに
スマホやPCが欠かせない現代人は、多かれ少なかれ肩こりに悩まされている。そんな肩周りの詰まりがずんぐりした印象を生み、エレガンスが微塵も感じられなくなってしまう。「四つん這いになって行うエクササイズで手が痛くなるという人は、首から腕を通って指まで走っている神経が引っ張られている可能性大。引っ張られるので余裕をつくろうとして巻き肩に」と教えてくれたのは森さん。
マッサージツールなどでデコルテや鎖骨周り、背中の上部をほぐすと、埋もれていた鎖骨も出てきて肩周りがすっきり整い、しゃれ感のある上半身に見えてくる。「デジタル全盛の時代ですから、座るときはどうしても頭や肩が前に落ちてしまいがち。手っ取り早く肩周りをすっきり見せたいならば、歩くときに腰の上側を意識するのがおすすめです。肩の余計な力が抜けるからすっきりと見えますし、脚がまっすぐ出せるようになるので、歩き方もきれいになります。歩いている間ずっと姿勢を意識するのは大変なので最初から頑張りすぎず、まずは最初の5歩を丁寧に歩くので十分。きれいな歩き方の時間が増えてくれば、肩や背中がどんどんすっきりしてくるはずです」(田中さん)
正しい姿勢を意識してぽっこりお腹を撃退
気になるパーツの筆頭に挙がるのが、ぽっこりしたお腹だろう。脂肪を減らすのは長期戦になるけれど、日常の姿勢を整えるだけでもすっきり見えは叶う、と教えてくれたのは田中さん。たとえば座るときのコツは、こんな感じだ。「両手の親指と人さし指を合わせて三角形を作り、頂点を下に向けて下腹に添えます。床と平行になっている親指のラインにおへそを乗せるようイメージすると、腰のズレもわかるしお腹が引き締まるんです。この姿勢で深く呼吸をするだけでも、お腹に力が入るいいエクササイズに」
お腹がぽっこりするのは腹筋が弱くなっているからだけれど、その根本原因は姿勢にあると指摘するのは森さんだ。「トレーニングで姿勢を整えると“いい姿勢ってこんなにお腹を使うんですね”と皆さんおっしゃいます。鍛えるのではなく、お腹のポジションをつくるのが大切。このときに重要なのが、肋骨の角度。スウェイバック姿勢(肋骨の下側がバストトップより前に出る形)にならないよう、まずは、頚椎の7番(首のいちばん下の骨)を出っ張らないよう奥に入れること。その上に頭を乗せると肋骨の角度が正され、下腹がすっきり見えますよ」
話を聞いたのは……
YUKA TANAKA
田中由佳。サロン・ド・スウィンオーナー。心身に響く独自のトリートメントで美容業界にも多くのファンを抱えるエステティシャン。悩みに徹底的に寄り添うスタイルと人柄で、2代で通う親子も。ウエディングや産後のボディメイキングも多く手がける業界の重鎮。
TAKURO MORI
森拓郎。ボディワーカー。「rinato」主宰。パーソナルトレーナーとして活躍する傍ら、食事改善の大切さを説く書籍が大ヒットに。やみくもに鍛えるのではなく、筋肉を増やしてスタイルをつくる指導で俳優やモデルからも人気に。オンライントレーニングも好評。
Text: Satoko Takamizawa Editor: Risa Yamaguchi
※『VOGUE JAPAN』2025年1月号「大人の“肌見せ” ファッションとボディの定義」転載記事。
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