ビタミンKは、ビタミンCやビタミンDに比べるとあまり知られていないかもしれないが、重要な栄養素であることに違いはない。なぜなら、ビタミンKは血液凝固、骨や心臓の健康、骨粗しょう症の予防、そしてビタミンDの適切な吸収に欠かせないビタミンだからだ。
ブロッコリーやカリフラワー、芽キャベツなどをよく食べる人は、すでに十分な量のビタミンKを摂取しているかもしれないが、アメリカ国立医学図書館によると、ビタミンK欠乏症は「一般的に健康な成人の8%から31%に見られる」という。ここでは、このビタミンKについて知っておくべきことと、そのレベルを最適に保つための方法をまとめた。
そもそもビタミンKとは?
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で、2つのグループに分けられる:
- ビタミンK1またはフィロキノン:主に緑黄色野菜に含まれる。
- ビタミンK2またはメナキノン:動物性食品や発酵食品に含まれるが、腸内細菌によっても産生される。
ビタミンKは血液の凝固を助け、出血過多を防ぐのに不可欠。さらに、ビタミンKは骨を丈夫にする働きがあり、閉経後にリスクが高まる骨粗鬆症や骨折の予防に役立つという。最近の研究では、ビタミンKがアルツハイマー病の予防にも効果的である可能性が示唆されている。
ビタミンDとビタミンKを一緒に摂るべき理由
ビタミンD不足の疑いがある場合、ビタミンDサプリに加えてビタミンKの摂取が勧められることがある。ビタミンDとビタミンKはどちらも骨と心臓血管の健康に欠かせない栄養素であり、それぞれを補ってくれるためだ。
また、ビタミンKはビタミンDの効果を高めるのに役立つ。例えば、ビタミンDはタンパク質を合成するが、このタンパク質はビタミンKによってのみ活性化される。
ビタミンKを多く含む食品
ビタミンKは、ホールフードをバランスよく食べることで、1日の推奨目安量(150㎍)を満たすのに十分な量を摂取することができるという。また、ビタミンKは腸内細菌叢でも産生され、摂り過ぎると余分な分は肝臓に蓄積される。
ビタミンKを多く含む食品は以下の通り:
- ほうれん草、チャード、カブ菜、ケールなどの緑の葉野菜
- カリフラワー、ブロッコリー、芽キャベツなど
- オリーブオイル、大豆油などの植物油
- サワークラウト、キムチ、ケフィア、納豆などの発酵食品
- 納豆
- 卵
- バター
- 鶏肉
- ゴルゴンゾーラなど、カビを含むブルーチーズ
- ブルーベリー
- イチジク
ビタミンKの1日の目安量
成人の場合、1日の目安量は150㎍とされているが、年齢や性別に応じた適切な量についてはさらなる研究が必要だ。
また、ビタミンKは脂溶性であるため、ビタミンの吸収を最適化するには、脂肪を含む食事の後に摂取する必要がある。
ビタミンKはいくつかの薬、特に抗凝固薬と干渉する可能性もある。この種の薬を服用中で、ビタミンKサプリメントの服用を検討している場合は、医師または専門家に必ず相談を。
ビタミンKの摂取量に特に気を配るべき人は?
- セリアック病や炎症性腸疾患(IBD)など、ビタミンKの吸収を阻害する疾患を患っている人
- ビタミンKを産生する細菌を破壊する抗生物質を長期間投与している人
- 血液凝固に関与するタンパク質であるプロトロンビンの濃度が不十分な人
Text: Alessandra Signorelli Adaptation: Motoko Fujita
From VOGUE.IT
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