むくみ対策が血色を生む? 例えば「足湯」
潤いを感じさせる循環肌をつくるには、入念な保湿が欠かせない。それと同時に“巡らせるケア”についても重要だとふたりのプロは教えてくれた。「私は時間が許せば起きてから足用の湯たんぽを履き、温めながら白湯を飲みます。巡りがよくなって顔色がぐんと良くなり、全身が温まります」とヘア&メイクアップ・アーティストの佐川理佳さんが言えば、エステティシャンの瀬戸口めぐみさんも「現代人の9割は脳疲労を抱えており、それがくすみやむくみ、ひいては乾燥を引き起こすことに。お手入れの最初に髪の生え際や後頭部を揉んで流すと、ラクになるし顔もすっきり整います」と話す。
巡りをアップさせたら、いよいよメイクの出番。できればスキンケアの後に20分ほどあけて、美容成分をしっかり浸透させてからメイクを始めるのがおすすめだそう。「下地は、横から光を受けてもざらつかないグローなタイプをチョイス。ほぼ無色でツヤを与えるものや、顔色が悪いならほんのりピンクを帯びたものもおすすめ。時間がたつと皮脂でくすんでくるので、それを視野に入れて自分の肌トーンより少し明るいものを選んで」(佐川さん)
指で肌環境を確認しながらファンデを重ねて
コロナ禍を経て「肌のアラを完璧に隠す必要がない」と人々が気づいた今、ともするとファンデーションは不要とみなされることがあるが、佐川さんはウィークデイなら美容成分が豊富なファンデは塗って損はないと話す。「たとえばフェイスラインは塗らないほうが自然に見えるとか、量を少なめにしたほうがいいといったコツはありますが、いずれにせよファンデを塗るほうがほこりや乾燥など外的刺激から肌を守ることができます。輪郭以外の顔中央、逆三角形ゾーンだけでも塗ると簡単に美肌印象に」
このときに注意したいのが、顔をきちんと観察しながらつけること。道具に頼らず指で塗れば、ざらつきなども確認できる。「クッションファンデを塗る場合でも、強く叩かず指先でそっと押し込む感覚でつけると崩れにくい土台になります」。最後に、テカリが気になる額や小鼻まわり、それに髪がまとわりつきやすい顔まわりにパウダーをかければ、完璧な循環肌の出来上がりだ。
話を聞いたのは……
MEGUMI SETOGUCHI
瀬戸口めぐみ。ビューティーディレクター、エステティシャン。著名ブランドで28年にわたりディレクターを務めたのちサロンをスタート。延べ1万人以上の施術を経て培ったメソッドに多くのファンが。24年、潤いとクリアなツヤを叶えるブランド「MEM」を創始。
RIKA SAGAWA
佐川理佳。ヘア&メイクアップ・アーティスト。ナチュラルなベースと時代の気分を汲み取ったセンスに定評があり、多くの俳優やモデルから指名が。早朝から深夜にまでに及ぶ撮影でも乾燥しない自身の知恵も含め、スキンケア&ベースメイク理論を明かしてくれた。
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Text: Satoko Takamizawa Editor: Toru Mitani
※『VOGUE JAPAN』2023年3月号「うるおってツヤめく“循環スキン”」転載記事。

