さらなる盛り上がりを見せる、ニューヨーク・ブライダル・ファッション・ウィークから直送
4月初旬に開かれた2025年春夏ニューヨーク・ブライダル・ファッション・ウィークでは、業界を賑わすブランドが一堂に集結し、何百人ものサロンオーナー、エディター、インフルエンサーたちが最新コレクションに目を光らせた。数々のプレゼンテーションやランウェイショーなど、これまで以上に充実した内容を見るに、このイベントが例年より盛り上がりを見せているのは明らか。多くのブランドは真のステートメントピースを発表すると同時に、より着こなしやすいスタイルを提案するなど、多様化するニーズにクリエイティブな方法で応えているのも特記すべきポイントだ。
来年、どういったブライダルファッションが繰り広げられるのか。デザイナーそれぞれのヴィジョンに沿った作品群のなかに浮かび上がった、2025年のウエディングドレストレンドをいち早くチェックしよう。
1. 優美なラインを描くドロップウエスト
ドロップウエストのドレスは昨年から存在感を増していたが、今や2025年を象徴するシルエットにのし上がっていることは間違いない。ロングラインのコルセットからペプラムヘムのような形まで、デザイナーたちはこのトレンドに独自のアレンジを加えている。サバンナ ミラー(SAVANNAH MILLER)は貝殻にインスパイアされたビスチェを、マルケッサ(MARCHESA)はバラで飾ったフルスカートとのバランスを取るために、すっきりとしたドロップウエストを採用した。このシルエットはさまざまな素材で展開され、ダナ ハレル(DANA HAREL)はシルクシフォンのシャーリングを使った一方、リヒ ホッド(LIHI HOD)は繊細なレースとハリのある柔らかなミカドシルクの両方でドラマティックなバスクウエストのバージョンを2着制作した。
2. ノスタルジックなムード漂うデイジーモチーフ
春と言えば花柄だが、なかでも今シーズンはデイジーのモチーフが随所に見られ、エレガントなブライダルドレスに60年代風のノスタルジックな雰囲気を与えた。イエロー バイ サハール(YELLOW BY SAHAR)は、デイジーの刺繍が施されたボリューミーなボールガウンにお揃いのヴェールを合わせ、ナルドス デザイン(NARDOS DESIGN)はテクスチャーを引き立てたAラインシルエットでドラマティックに仕立てた。オナー(HONOR)はアップリケ、刺繍、アイレットのディテールを全体に施し、デイジーを最新コレクションの主役に据えている。
3. 式後のパーティードレスもトータルコーディネート
結婚式当日に複数のルックを着る花嫁は年々増えており、デザイナーもその傾向に着目しているようだ。ほぼすべてのコレクションに披露宴や二次会に纏いたいミニドレスやセットアップが揃っており、一日のトータルコーディネートを可能にしている。エナウラ(ENAURA)は新作のブライダルドレスに合わせてカクテルドレスのラインをローンチし、マルカリアン(MARKARIAN)は式後のお祝いのシーンのためのイブニングスタイルを多数用意。そのほかにもフランチェスカ ミランダ(FRANCESCA MIRANDA)の動きやすいツーピース、ブロンクス&バンコ(BRONX AND BANCO)のパーティーにぴったりなセクシールックなど、選択肢は幅広い。スパンコールやクリスタル、レース、そしてフェザーといった華やかなディテールは、2025年のウエディングパーティールックに欠かせない要素となりそうだ。
4. 何通りにも楽しめるコンバーチブルスタイル
ひとつのルックだけでは物足りないけれど、セカンドルックに手を出すのには抵抗がある人たちのために、デザイナーたちが提案したのは何通りもの着こなしが楽しめるコンバーチブルスタイル。取り外し可能なスリーブやオーバースカート、調節可能なドレープに加え、パンツやミニスカートのセットアップはボールガウンのフルスカートと交換することができる。エセ アゼナボー(ESÉ AZÉNABOR)、ガリア ラハヴ(GALIA LAHAV)、ライム アロダキー(RIME ARODAKY)らは一日を通して変わるさまざまなムードに応じたデザインを作り上げ、ノーディーン(NORDEEN)もまた、サステナビリティの観点からも何着も揃える必要はないという考えを強調した。
5. モダンに進化したリボンディテール
リボンのトレンドは、ブライダルファッション界ではまだまだ健在だ。大小さまざまな形のそれが、伝統的なものからアヴァンギャルドなものまで、ドレスやアクセサリー、パーティールックのアクセントとして登場。1950年代に着想を得たリヒ ホッド(LIHI HOD)によるステートメントヴェールや、レイン(LEIN)のジャンプスーツのカットアウトに沿って配されたデコレーションなど、これまでとは違うユニークな取り入れ方にも注目を。ガウンの背中にリボンをあしらったデザインは新しくはないが、アムセール(AMSALE)のデザイナー、マイケル・チョウはショールのような袖に変化する工夫を施し、クラシックなディテールにひねりを加えた。
6. 燦然と輝くクリスタル装飾
今シーズン、パールよりも存在感を放ったのはクリスタル装飾。イネス・ディ・サント(INES DI SANTO)はパーティーにもふさわしいシックなコラムドレスに、エリー サーブ(ELIE SAAB)やエセ アゼナボー(ESÉ AZÉNABOR)は優美なガウンにまばゆい煌めきを添えた。
7. フェミニンな華やぎをもたらすチュール
多くのドレスにフェミニンな華やぎをもたらした、ふんわりと軽やかなチュール。モニーク ルイリエ(MONIQUE LHUILLIER)やオーストラリア発のカイハ(KYHA)は、チュールスカートをトレンドのドロップウエストと組み合わせることで美しいメリハリを持たせた。一方、アンドリュー クォン(ANDREW KWON)はチュールを優雅に垂らしたダイナミックなルックを打ち出している。
9. 「サムシングブルー」の新しい取り入れ方
花嫁たちがさりげなく身に付ける、幸せのおまじない「サムシングブルー」。デザイナーたちは今、この聖母マリアの象徴である青をより大胆に取り入れようと模索しているようだ。イネス・ディ・サント(INES DI SANTO)ではシンデレラのようなブルードレスが登場したほか、タナー フレッチャー(TANNER FLETCHER)初のブライダルコレクションでは、淡いパウダーブルーをアクセントに効かせたジャケットやケープが展開された。ヴァルカ(VARCA)のフローラルドレスや、ナディア マンジェレス(NADIA MANJARREZ)のオーバースカートなども、この色を大々的にフィーチャーしている。
9. ヴィンテージの魅力
ニューヨーク・ブライダル・ファッション・ウィークで発表されたもののすべては2025年に向けてデザインされたものかもしれないが、まるでタイムカプセルのなかに収められていたかのようなアイテムもたくさんあった。クラシックなウエディングスタイルを求める人にとって、もはやヴィンテージアイテムを探しまわる必要はない。マーク イングラム(MARK INGRAM)やマルカリアン(MARKARIAN)による最新コレクションには50年代と60年代からのヒントが見て取れ、質感のあるファブリックやリボンがレトロな魅力を際立たせていた。
また、期間中に最も熱視線を集めたのが、シンク(CINQ)のドラマティックなプレゼンテーション。伝説のチェルシーホテルを舞台に、18世紀のファッションにヒントを得たゴージャスなドレスが心地よい音楽とともに披露された。来年はヴィンテージ、あるいはヴィンテージ風の装いがより多く見られることだろう。
Text: Shelby Wax Adaptation: Motoko Fujita
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