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今、TikTokで「ヨット・ショルダー」というキーワードがバズっているのをご存知だろうか。きっかけは、ケンダル＆カイリー・ジェンナー姉妹がインスタグラムのストーリーに上げた、バカンス画像。ふたりの華奢ですらっとした美しい鎖骨と肩のラインを見たフィットネス・インフルエンサーが、「マヨルカでヨットに乗っているふたりの画像を見たあとの私」とキャプションをつけて、ワークアウト動画を投稿。つまりヨットが似合うゴージャスな肩のライン、という意味らしい。
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主に上腕筋を鍛えるというこのエクササイズを紹介したのは、@protekphilippe。ヨットショルダーというキャプションのほかに、ハッシュタグで「ショルダーワークアウト」というハッシュタグをつけている。ワークアウトの内容は実にシンプル。1.プランクの体勢になる、2.そのまま片手ずつ床から手を離す動作を2回、3.手を足元に近づけてVの字ポーズ。これを何回か繰り返す、というもの。腕と肩だけでなく、ウエスト周りにも効きそうだ。この動画はすでに760万回以上再生されている。
現在は消されているケンダルとカイリーのツーショット画像は、たしかに鎖骨と肩のラインがスッキリしていて美しい。このパーツが綺麗だと、水着だけでなくデコルテを出す服をかっこよく着こなせそう。ちなみにスリムに見せるために、鎖骨近辺にボトックスを注入する「TrapTox」という施術も以前からトレンドになっている。インフルエンサーたちは単に痩せるのではなく、パーツの美しさにこだわるカスタムなワークアウトにシフトしているようだ。
けれど一方で、このようなカーダシアン家の投稿を批判する声も。SNSで影響を受けた若い女性が美容整形外科を訪れることはよくあり、米ポスト紙ではカイリーに憧れて7000ドルの豊胸手術を受けて後悔した、23歳の女性の話が掲載されたことも。「私がバストを完成させたとき、美しさのトレンドはすべて、カーダシアンのルックスを持つことでした。大きなおっぱいと、大きなヒップ」と彼女。しかし当のカイリーも豊胸手術を受けて後悔していることをカミングアウトしており、行きすぎた、リアルではない外見をSNSでアピールすることに対して慎重になるべきだ、という意見も存在する。
美しい人を見て美のモチベーションにするのはいいことだけれど、自分にはない要素を手に入れることにフォーカスしてしまうと、その欲求はいつまでも満たされることはないだろう。そういう意味で、幸せと美活は似ているのかもしれない。他人と比べるのではなく、人の美しさを認めた上で、自分の良さも受け入れる。自分らしさを心地よく感じる。―これができている人が、ハッピーになれるのだと思うから。
Text: Moyuru Sakai Editor: Toru Mitani
