『Folklore』で、自身3度目となる最優秀アルバム賞を手にしたテイラー・スウィフト。オスカー・デ・ラ・レンタ(OSCAR DE LA RENTA)の花畑のようなミニドレスに、ラメ感のあるベージュピンクの目もと、マットなコーラルピンクリップを合わせたその姿は、さながら春のフェアリーのようだった。さらに目を見張る可愛さだったのが、ドレスと同デザインのマスクをつけることを想定したヘアアレンジ。ゆるく巻いた髪をフィッシュボーンにしてバックで表情豊かにまとめながら、耳まわりはすっきりさせてマスク紐をかけやすく。前髪の毛先にもウェーブをあしらったのが、全体のまとまりをさらに良くした。
パワフルなパフォーマンスで会場を沸かせたデュア・リパは、『Future Nostalgia』で最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞。メイクはその晴れ舞台に映えるよう、パープルのラメをふんだんにあしらった、ミラーボールのような目もとが印象的だった。そこに、太くしっかりと描いたアイブロウ、オレンジベージュのリップがモード感をプラス。スリークなツヤを出したストレートの黒髪も、さらさらと揺れるたびにタフで艶かしい美しさを際立てている。
ネイルラバーの彼女ならではの、アートのような指先も必見。ミルキーなホワイトに、ピンクとブルーのバタフライが描かれ、一層ドラマティックなドレスアップを実現。
「I Can’t Breath」が最優秀楽曲賞に輝いたH.E.R.は、トレードマークのスーパーロングのカーリーヘアでインパクト満点のスタイル。デュンダスのエキゾチックなドレスに沿うようにゆったりと髪をおろし、レッドカーペットで無二の個性を放出した。素顔をあまり見せないことで知られるH.E.R.だが、アイコンであるサングラスルックも、偏光するオーロラシャドウの目もとでグラマラスな眼差しを演出。ボリュームたっぷりのアイラッシュとともに、本来のキュートな顔立ちを引き立てている。
パープルベースにブラックレター調のデザインをあしらったネイルが、さりげなくスタイルの統一感をアップさせている。
2年連続で最優秀レコード賞を獲得したビリー・アイリッシュは、昨年と同じくネイルが主役のスタイル。全身グッチ(GUCCI)のコーディネートに合わせて同柄のネイルアートを施し、指先まで抜かりないビリー流ドレスアップを披露した。メイクは、担当したメイクアップ・アーティストのロバート・ラムジー曰く、クリーンコスメブランドのミルク メイクアップのプロダクトを使用。ベースメイクには透明感のあるリキットファンデを用い、マスクONでもナチュラルに艶めく肌に。目もともクリーミーベージュとシャンパンゴールドのアイシャドウでみずみずしい光沢をのせ、全体的にグロウな質感を意識していた。
最優秀新人賞をはじめ3部門に輝いたメーガン・ジー・スタリオンは、いつもの過激でセクシーなスタイルとは一線を画す、王道レッドカーペットルックが話題に。ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)のオレンジのドレスに、高い位置で髪をまとめ、サイドや後れ毛をカールさせたアップヘアが、優雅な魅力を印象づけていた。目もとメイクも、ブロンズカラーのアイシャドウと上下まぶたの黒ライン、長いアイラッシュでインパクトと洗練を両立。そこにオーバー気味のリップラインが、ミーガンのクールな色っぽさを後押ししている。
3部門にノミネートされていたドージャ・キャットは、胸もとからおへそまで大胆に開いたロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)のドレスを、80年代風マレットヘアでモダンにアップデート。アシンメトリーにカットした短めバングと、無数のシャギーを入れた立体的なフォルムが、彼女のユニークな個性を引き立てていた。さらにインパクトを放ったのが、黒とダークブラウンのウィングアイ 。カラスが羽を広げたようなラインは妖艶かつアバンギャルドで、ヘアスタイルとともに彼女のグラミーにかける気合が伝わってくる。
プレゼンターとして登場したリゾは、2パターンのドレスアップを披露。特にこのピンクのワンショルダードレスを着た際のヘアスタイルは、リゾらしい遊び心が効いている。エクステを足したスーパーロングの髪は、センターパートで長さを強調。そこに、ラインストーンをのせたスリーピンをサイドにあしらって、キッチュなアクセントを加えていた。メイクは、ロング&ボリューミィなアイラッシュでゴージャスな目力を演出しつつ、ベージュブラウンのリップでモードに昇華させて。下の前歯につけたグリルの輝きが、実力派ラッパーである彼女の自信の証。
Text: Rie Maesaka Editor: Mika Mukaiyama