昨年の5月に韓国映画史上初のパルムドール(最高賞)を受賞し、その後の賞レースを席巻した『パラサイト 半地下の家族』。同作に出演して世界的な人気者となったチョ・ヨジョンは、フォトコールに真っ白なコーデで登場。トレンチ型のトップにホワイトのスカートを合わせたフィット&フレアスタイルで、アラフォーとは到底想像しがたい、瑞々しいピュアネスを奏でた。
カンヌ常連のチャン・ツィイーは、昨年の第72回映画祭でアジア人初の「マスタークラス」のメンバーに選出。清楚な印象の強い彼女だけど、レッドカーペットではたびたびエッジの効いたファッションを披露している。記念すべきこの日のフォトコールでも、パワーショルダーが印象的なアザロ(AZZARO)のスパンコールドレスでセンシュアルかつパワフルな雰囲気を演出。変わらぬ美脚と笑顔で視線を独占した。
2016年に韓国で大ヒットを記録したゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』に出演したチョン・ユミは、第69回カンヌ国際映画祭に出席。昼間のフォトコールでは韓国ブランド、アンディ&デブ(ANDY & DEBB)のホワイトカラーがアクセントになったモノトーンのワンピースを纏い、透明感のある輝きを放った。
第71回アカデミー賞で最優秀外国語作品賞を受賞した奇才パク・チャヌク監督の『お嬢さん』(2016)で、第69回カンヌ国際映画祭のプレミアに登場したキム・ミニ。ピンク&レッドが鮮やかなグッチ(GUCCI)のシースルードレスから、陶器のような白い肌をのぞかせた。さらに曇りのない笑顔がチャーミングな彼女の魅力を引き立て、レッドカーペットに負けない存在感をアピールした。
個性的なドレスで登場するたびにカンヌのレッドカーペットに話題を振りまいてきたファン・ビンビンが、コンペティション部門の審査員を務めた2018年。翌年のオープニング・ガラでは、彼女のカンヌ史にふさわしいプリンセスラインのドレスで大きな話題をさらった。チュニジア人デザイナーのアリ・カルウィ(ALI KAROUI)が手がけたウエディングケーキのようなドリーミーな一着は、華やかなレッドカーペットの中でも群を抜いたお目立ち度だった。
チャオ・タオは、主演を務めたジャ・ジャンクー監督作『帰れない二人』で2018年に来場。オリエンタルなラベンダーカラーのドレスは、ミントグリーンの装飾が印象的だ。レッドカーペットで映えるブラックやヴィヴィッドカラーではなく、柔らかな色合いで可憐なオーラを放った。
中国出身で今や大ベテランとなったコン・リーも、数々のカンヌモーメントを作ってきた女優のひとりだ。『妻への家路』(2014)のフォトコールでは、エレガントなオールブラックコーデで余裕の表情を見せた。ブラを覗かせたシースルートップにマーメイドのスカートが、メリハリボディをさらに強調。太陽が照るカンヌの青空の下で、大人のブラックスタイルとは何かをクールな表情で教えてくれた。
Text: Rieko Shibazaki
