1946年に始まって以来、南仏コート・ダジュールで開かれるカンヌ国際映画祭には毎年、ポップカルチャーの歴代カップルやアイコニックなセレブたちが、世界各国から集結する。1970年にはジョン・レノンとヨーコ・オノ、1974年にはジャック・ニコルソンとアンジェリカ・ヒューストン、そして1997年にはジョニー・デップとケイト・モスが話題となった。また、1992年のニコール・キッドマンとトム・クルーズのカンヌデビューも忘れてはならない。
そして大きな印象を残したのは、おそらくオードリー・ヘプバーンも登場した全盛期といえる60年代だろう。彼女は1960年に白いグローブを着用し、夫メル・フェラーとともに出席。1962年にはウォーレン・ベイティとナタリー・ウッド、1966年にはグラフィック調のスパンコールのドレスに身をまとったカトリーヌ・ドヌーヴとデビッド・ベイリー。
ローリング・ストーンズのミューズであったアニタ・パレンバーグは1967年、ブライアン・ジョーンズとキース・リチャーズとともにレッドカーペットに姿を見せた。1974年には、ゴロワーズをくわえたスタイリッシュなセルジュ・ゲンズブールがジェーン・バーキンとともに参加した。
また、レッドカーペットはロイヤルウェディングの舞台にもなった。1955年、グレース・ケリーが当時交際していたフランス人俳優のジャン・ピエール・オーモンと『泥棒成金』(1955)のプレミアに登場。翌年にモナコ大公レーニエ3世と結婚し、プリンセスとなった後も定期的にカンヌに姿を現した。1987年にはチャールズ皇太子と淡いブルーのシフォンドレスを身にまとったダイアナ妃が、レッドカーペットを優雅に飾った。
ロミー・シュナイダー&アラン・ドロンやニコール・キッドマン&トム・クルーズなど、歴代カップルをチェック!
グレース・ケリーとジャン・ピエール・オーモンはカンヌを後にし、パリでも一緒の姿を目撃された。(1955年)
ブリジット・バルドーは、第8回カンヌ国際映画祭に夫で映画監督のロジェ・ヴァディムと参加。(1955年)
エリザベス・テイラー とマイケル・トッド。(1957年)
1960年のオープニングを飾った『ベン・ハー』(1959)の上映には、グレース・ケリーとモナコ大公レーニエ3世の姿が。
ナタリー・ウッドとウォーレン・ベイティ。(1962年)
ロミー・シュナイダーとアラン・ドロン。(1962年)
デイビッド・ベイリーとカトリーヌ・ドヌーヴ。(1966年)
ブライアン・ジョーンズとアニタ・パレンバーグ。(1967年)
『傷だらけのアイドル』(1967)のオープニングに参加したキース・リチャーズとアニタ・パレンバーグ。
ジョン・レノンとヨーコ・オノ(1971年)。
ジェリー・ホールとミック・ジャガー。(1973年)
『さらば冬のかもめ』(1973)で男優賞を受賞したジャック・ニコルソンとアンジェリカ・ヒューストン。
アイコニックなカゴバッグを華やかなドレスに合わせたジェーン・バーキンは、セルジュ・ゲンズブールと。(1974年)
ポール・マッカートニーは、第33回カンヌ国際映画祭に最愛の妻リンダ・マッカートニーと出席。(1980年)
ポール・ニューマンと妻のジョアン・ウッドワード。(1987年)
1987年、レッドカーペットに現れたのはキャサリン・ウォーカー(CATHERINE WALKER)のドレスをまとったダイアナ妃とチャールズ皇太子。
カンヌデビューを飾って話題を呼んだニコール・キッドマンとトム・クルーズ。(1992年)
ジョニー・デップは主演作『ブレイブ』(1997)のプレミアにケイト・モスとともに姿を見せ、そのスタイリッシュな着こなしも大きな話題となった。
リュック・ベッソン監督によるSFアクション大作『フィフス・エレメント』(1997)のプレミアに登場したデミ・ムーアとブルース・ウィリス。
共演した『完全犯罪クラブ』(2002)がコンペに出品されたため、仲良くカンヌ入りしたライアン・ゴズリングとサンドラ・ブロック。当時ライアンは22歳、サンドラは38歳と16歳の年齢差も注目を集めた。
2004年のオープニングの日、審査委員長のクエンティン・タランティーノがレッドカーペットに現れると会場は大騒ぎになった。彼の腕を組んでいたのが、交際を噂されていたソフィア・コッポラだったからだ。才能溢れる映画監督カップルにとって、カンヌこそが恋をオープンにする場所としてふさわしかったのだろう。
ブラッド・ピットは主演作『トロイ』(2004)のプレミアに当時の妻、ジェニファー・アニストンと来場。ハリウッドのビッグカップルは無数のフラッシュを浴びた。
“イタリアの宝石”と呼ばれるモニカ・ベルッチとフランス人俳優のヴァンサン・カッセル。(2006年)
マドンナは、プラデューサーと共同脚本を担ったドキュメンタリー『I Am Because We Are(原題)』(2008)のプレミアに当時の夫ガイ・リッチーと来場した。
ブラッド・ピットにエスコートされて『カンフー・パンダ』(2008)のプレミアに現れたアンジェリーナ・ジョリーは双子を妊娠中で、華麗なマタニティードレス姿でレッドカーペットを席巻した。
2013年にもっとも注目を集めたのが、新婚のジャスティン・ティンバーレイクとジェシカ・ビールだ。コーエン兄弟による『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)で初カンヌを飾った夫を妻がサポートした。
ギョーム・カネが、主演を務めたフランス映画『Les Liens du sang(原題)』の英語リメイク作『マイ・ブラザー 哀しみの銃弾』(2013)のメガホンを自ら握った。主要キャストの一人で、パートナーのマリオン・コティヤールとともに。
『白い沈黙』(2014)の主演を務めたライアン・レイノルズは、妻のブレイク・ライブリーとともに来場した。
『マッドマックス 怒りのデスロード』(2015)のプレミアに主演のシャーリーズ・セロンをエスコートしたショーン・ペンだったが、この1カ月後に破局が明らかとなった。
スペインのサイコスリラー映画『誰もがそれを知っている』(2018)のプレミアでは、夫婦共演したペネロペ・クルスとハビエル・バルデムが仲睦まじい2ショットを披露した。
2019年、新婚のプリヤンカー・チョープラーとニック・ジョナスは、まるで結婚式を思わせる純白のレッドカーペットスタイルで来場した。
Text: Lucy Maguire
