第95回アカデミー賞の授賞式が2023年3月12日(現地時間)にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、助演男優賞に『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のキー・ホイ・クァンが輝いた。ゴールデングローブ賞に始まり、クリティクス・チョイス・アワード、SAG賞など今季の賞レースを席巻する中、アカデミー賞も制した。
プレゼンターのトロイ・コッツァーとアリアナ・デボーズの横に立ったクァンは、涙を流しながらこう受賞スピーチを行った。
「私の84歳の母は、今このアワードを家で見てくれています。お母さん、オスカーをとったよ!
私の人生の旅路はボートで始まりました。難民キャンプから始まったんです。でも私は今、ハリウッド最大の舞台にいます。こういうストーリーは映画でしか起こらないと言われていますが、これは僕の人生です。これがアメリカン・ドリームなんです」
家族や監督、すべての映画クルー、『エブエブ』の出演交渉を行ったのは、『グーニーズ』(1985)のジェフ・コーエン、そして「いつか必ずあなたの時がくる」と常に信じてくれていた妻の名前を挙げ感謝の思いを伝えたクァンは、最後にこう言葉を締めくくった。
「夢というのは信じなければ実現できない。みなさん、夢を諦めないで。本当にありがとうございました」
Text: Mina Oba