アフリカの職人技に魅了されたことをきっかけに、オーロラはアクセサリーブランド、ブラザー・ベリーズを2013年に立ち上げた。翌年にはCFDA/Vogueファッションアワードを受賞し、ビヨンセのお墨付きを得て着実にブランドを成長させている彼女だが、毎日考えることは「どうすれば、いかにブランドをサステナブルにできるか」だという。
タイヤをリサイクルして靴のソールを作ったり、野菜や花を染色に用いたり、製作メソッドにこだわる傍ら、「製品を作り出す人を重んじ、製品がどこで作られているか」を重要視しているという。職人がリスペクトを受け対等な賃金が払われる環境で、長持ちする職人技が光る作品を作り続けられることこそが、サステナビリティの基盤になると考えるからだ。
「環境問題、人種差別、賃金格差、職人技の継承、という4つの課題解決がいつも私のコアにあります」。これらの課題解決への取り組みはブランドの枠だけにとどまらない。今年5月に起きたジョージ・フロイド殺害事件後にすぐさま、アフリカ系アメリカ人の雇用促進とビジネスサポートを行う慈善団体「15Percent Pledge」を立ち上げた。
「働いている人々がどのように扱われ、自分の購買により人々にどんな影響を与えるかを、より多くの人や会社に考えてもらえるようになってほしい」と語り、自身の日常生活では、「小規模な会社がサステナブルに作ったものやヴィンテージ品を購入したり、アフリカ系アメリカ人が経営するブランドを選ぶようにしたりしている」という。
「ニューヨークでは消費を減らし、今あるものを大切にする流れがきていると感じています。今こそ、真のラグジュアリーとは何かが再評価されるべき」と将来への期待を込めて話す。
「私はラグジュアリーを、カルチャー、ミッション、サプライチェーンの3つの軸で考えています。こんな時期だからこそ、みなさんに今一度考えてほしい、あなたは何をラグジュアリーと捉えますか?」
Photo (Portrait): Lelanie Foster Stylist: Solange Franklin Hair: Nikki Nelms Makeup: Yacine Diallo Production: Jennifer Berk & Kelsie Foy Photographer Assistant: Ari Sadok Location: The High Line Hotel (thehighlinehotel.com) Coordination&Text: Mayu Kato Editor: Kyoko Osawa