CHANGE / SUSTAINABILITY

オーロラ・ジェームズが目指す、作り手に寄り添うモノづくり。【世界のシティガールに学ぶサステナブルライフ vol.1】

近頃、現代女性のライフスタイルは、地球と共存共生するものへとシフトしている。そこで、自分らしく楽しいサステナブルライフにトライするべく、世界6都市、6人がリアルに実践している身近でおしゃれな取り組みや新しい生活のかたちを覗いてみよう。 第一回目は、ブラザー ベリーズ(BROTHER VELLIES)の創業者であるオーロラ・ジェームズが語る、今再確認すべき真のラグジュアリーとは何かを紐解いていく。
オーロラ・ジェームズ(Aurora James)/NEW YORK, USA

「カナダの自然に囲まれて育ったから、緑がある場所がとても好きなの」。彼女の愛する緑があふれるTHE HIGH LINE HOTELの中庭にて。ハット/BROTHER VELLIESxGIGI BURRIS(brothervellies.com) トップ/ARMANDE(armande.co) スカート/GABRIELA HEARST(gabrielahearst.com) リング/本人私物

生産者、生産地、生産過程に想いを寄せて。

「HOPE」をテーマにした米国版『VOGUE』2020年9月号では、表紙の絵のモデルに抜擢。

アフリカの職人技に魅了されたことをきっかけに、オーロラはアクセサリーブランド、ブラザー・ベリーズを2013年に立ち上げた。翌年にはCFDA/Vogueファッションアワードを受賞し、ビヨンセのお墨付きを得て着実にブランドを成長させている彼女だが、毎日考えることは「どうすれば、いかにブランドをサステナブルにできるか」だという。

ブラザー・ベリーズのアトリエ。

タイヤをリサイクルして靴のソールを作ったり、野菜や花を染色に用いたり、製作メソッドにこだわる傍ら、「製品を作り出す人を重んじ、製品がどこで作られているか」を重要視しているという。職人がリスペクトを受け対等な賃金が払われる環境で、長持ちする職人技が光る作品を作り続けられることこそが、サステナビリティの基盤になると考えるからだ。

プロジェクトを支援している人々には、各地から毎月ギフトが送られる。ケニアの職人が手彫りで作ったコームもお気に入りの一つ。

「環境問題、人種差別、賃金格差、職人技の継承、という4つの課題解決がいつも私のコアにあります」。これらの課題解決への取り組みはブランドの枠だけにとどまらない。今年5月に起きたジョージ・フロイド殺害事件後にすぐさま、アフリカ系アメリカ人の雇用促進とビジネスサポートを行う慈善団体「15Percent Pledge」を立ち上げた。

気候変動に関する見識を深めるために読んでいる本。『ALL WE CAN SAVE: Truth, Courage, andSolutions for the Climate』アヤナ・エリザベス・ジョンソン、キャサリン K. ウィルキンソン著(One World出版)

毎朝欠かさずに使用する、メキシコ・オアハカ州の職人が手作りしたマグ。「Something Special」という、5月より始動させたパンデミックで仕事に打撃を受けている職人を支援するためのプロジェクトで作られた。

「働いている人々がどのように扱われ、自分の購買により人々にどんな影響を与えるかを、より多くの人や会社に考えてもらえるようになってほしい」と語り、自身の日常生活では、「小規模な会社がサステナブルに作ったものやヴィンテージ品を購入したり、アフリカ系アメリカ人が経営するブランドを選ぶようにしたりしている」という。

バーニング・ボウルもメキシコからのギフト。

「ニューヨークでは消費を減らし、今あるものを大切にする流れがきていると感じています。今こそ、真のラグジュアリーとは何かが再評価されるべき」と将来への期待を込めて話す。

「私はラグジュアリーを、カルチャー、ミッション、サプライチェーンの3つの軸で考えています。こんな時期だからこそ、みなさんに今一度考えてほしい、あなたは何をラグジュアリーと捉えますか?」

Photo (Portrait): Lelanie Foster Stylist: Solange Franklin Hair: Nikki Nelms Makeup: Yacine Diallo Production: Jennifer Berk & Kelsie Foy Photographer Assistant: Ari Sadok Location: The High Line Hotel (thehighlinehotel.com) Coordination&Text: Mayu Kato Editor: Kyoko Osawa