まず大前提として、コーヒーの出がらしは “ゴミ” ではない。捨てるのはもったいなすぎるくらい、再利用方法がたくさんあるのだ。例えば、消臭剤として広く使われている活性炭よりもアンモニア臭を消臭してくれると言われており、電子レンジで2分程加熱し乾燥させれば、天然の脱臭剤になる(もちろん自然乾燥してもいい)。冷蔵庫、下駄箱、トイレなどはもちろん、灰皿の底に敷いたり、掃除機のゴミを集める部分に入れておくと気になるニオイを抑えられる。また、吸湿能力もあると言われているので、湿度が気になる下駄箱などには一石二鳥だ。
さらにコーヒー豆は“天然の洗剤” とも言われおり、お掃除でも大活躍。油分が含まれているため油汚れとも相性がよく、汚れに出がらしを振りかけ、タワシなどを使ってグリルやフライパンなどを脱臭しながらピカピカに磨くことができる。また、使わなくなったストッキングなどに入れ、排水溝などもスポンジ代わりにゴシゴシしたらヌメリも取れて、自然由来のものなのでそのまま粉だけ流してしまっても環境汚染の心配ない。
他にも、乾燥させて腐葉土に混ぜると良質な肥料となり家庭菜園の場面で役立ち、耐熱皿に入れて燃やすと天然の蚊取り線香にもなる。毎日コーヒーを飲んでも使いみちは無限だ。
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朝起きて、静かな中でコーヒーをゆったりとハンドドリップして淹れる時間はメディテーションのようだ。近年、エコの観点からもコーヒー愛好家の間ではペーパーフィルターを使わずに繰り返し使えるドリッパーへの注目が集まっている。
佐賀県嬉野市で作られる陶磁器・肥前吉田焼のブランド224 porcelainのロングセラーアイテムが、日本の伝統工芸の技術を取り入れたセラミック製のドリッパー「カフェハット」だ。一見どうやって抽出されるのかわからないが、実は多孔質のセラミックで出来ているため、ハンドドリップの手順でコーヒー粉にお湯を注ぐと、直径約40ミクロンの無数の小さな穴を通って不純物や雑味などを取り除きながら、紙フィルター同様のドリップ速度で美味しいコーヒーが淹れられるという仕組み。実は浄水効果もあり、濾過された水をより美味しくしてくれるので、豆の香りや味をさらに引き立ててくれる。
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耐久性の高いステンレス素材のフィルターも高い人気を誇る。テーブルウェアやインテリア雑貨を製造している、滋賀県彦根市創業のブランドKINTOが手掛ける「スローコーヒースタイル」は、0.25mmの小さな穴が空いており、アロマの香りを余すことなく淹れられる。
また、もし家にリネンやさらし生地の端切れがあったら、繰り返し使えるフィルターを手縫いしてみるのはどうだろう? 円状にかたどり、4つ折りにして一辺を縫うだけで、ハンドドリップの時間をより豊かに彩るアイテムの完成だ。
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ドリップ式と並んで海外で広く支持されているフレンチプレスは、コーヒーの油分を余すことなく抽出することができるため、素材の美味しさをさらに引き立てる効果が。また、コーヒー豆に熱湯を注いで待つだけというシンプルな手順は、慌ただしい朝にぴったりだ。
350mLサイズのフレンチプレスを用いる場合、フレンチプレス用の粗さに挽いたコーヒーの粉を16gほど入れ、少し回しながら熱湯を300mLほど淹れる。蓋をして4分たったらプランジャーを下げてできあがり。豆の個性をダイレクトに味わえるので、上質な豆を手に入れたら是非試してほしい。
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モカエキスプレスとカセットバーナーさえあれば、外でも本格エスプレッソを堪能することができる。手のひらサイズで場所を取らないため、アウトドアのみならず自宅でエスプレッソマシンの代わりに導入してもいい。
モカエキスプレスは3層構造になっており、下層部に水、そして中部にコーヒーの粉を入れて、弱火にかける。数分後、ポコポコと沸騰した音がしてきたら、上層部に本格エスプレッソが抽出されている。コーヒーラヴァーのキャンプには欠かせないアイテムだ。澄んだ空気の中で味わうコーヒータイムは、贅沢で格別!
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Text: Mina Oba