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脱ヒールにネイキッドドレス。カンヌ国際映画祭の歴史に残る、ルール破りなセレブたち
男性はタキシード、女性はドレスにハイヒール。5月14日(現地時間)に開幕した世界三大映画祭のひとつ、カンヌ国際映画祭は華やかさばかりではなく、創設当初から伝わる厳しいドレスコードでも有名だ。パブロ・ピカソやクリステン・スチュワートをはじめ、ときに「時代遅れ」とも非難される同映画祭の厳格な服装規制に真っ向から抗った、型破りな来場セレブたちを振り返る。
カンヌ国際映画祭はさまざまなことで知られているが、近年、特に話題になっているのがその古風なドレスコード。ベニート・ムッソリーニとアドルフ・ヒトラーがフランスの反戦映画『大いなる幻影』(1937)の受賞に対して拒否権を発動するなど、ヴェネチア国際映画祭を巡る政治的な介入への対抗として始まったカンヌ国際映画祭は創設以来、ヨーロッパ随一の映画の祭典と言われている。フランスの南東部、地中海沿岸のコート・ダジュールにあるリゾート地のカンヌが開催地なだけあり、映画祭の服装に関するルールはカンヌの通りに立ち並ぶ高級ホテルやカジノの宿泊客のイブニングウェアに由来している。男性はジャケットとネクタイがスタンダードであり、女性はハイヒールとロングドレスの着用が求められる。
映画祭が正式にスタートした1946年当時は、厳しい服装規制はアフターパーティーなどでも適用されることが多かった。それでも、カンヌの黎明期でさえ、ルールを破る者はいた。パブロ・ピカソはシアリングコートを着てアンリ=ジョルジュ・クルーゾ監督の『恐怖の報酬』(1953)のプレミアに出席し、『南回帰線』の作者、ヘンリー・ミラーは1960年に審査員を務めたが、ルールに合わせることを拒み、ディナージャケットを着なかったために上映会への入場は断られた。そして最近ではレッドカーペットでヒールを脱ぎ捨て、ドレスコードに対する抗議の姿勢を見せたクリステン・スチュワートや、ディオール(DIOR)のボールガウンにビーチサンダルという出で立ちで出席したジェニファー・ローレンスなどがいる。
時代とともに変化する、カンヌのレッドカーペットのあり方や型破りなファッション。かつてのピカソや昨年のローレンスのように、今年も映画祭の歴史に残るルール破りなセレブは現れるのだろうか。