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2022年の音楽シーンを制するのは誰!? 注目の22人を一挙紹介。

オリヴィア・ロドリゴピンクパンサレス、アーディーなど、2021年は新進気鋭のミュージシャンたちにとって飛躍の1年となった。では2022年はどうだろう? カニエ・ウェストの弟子からナイジェリアの新星、そしてジャスティン・ビーバービリー・アイリッシュのお気に入りアーティストまで、2022年に目覚ましい活躍が期待される22人の注目株を5つのポイントから紹介していこう。
2022年の音楽シーンを制するのは誰 注目の22人を一挙紹介。
Alfie White

1.TikTok発の才能。

今や、新人ミュージシャンたちの登竜門となっているTikTok。ここで紹介する4人もまた、このアプリから一気に人気に火がついた気鋭の才能たちだ。

Dreya Mac/ドリア・マック

世界中で、「I ain't ever been with a baddie」の歌詩が頭から離れない! という人が多発中。600万人以上のTikToksのサウンドトラックになっている「Own Brand Freestyle」ヴァースの生みの親で、磁力のあるフローを有する衝撃的なライブパフォーマー、ドリア・マックは弱冠21歳。ロンドン出身の気鋭の才能に、今後も要注目だ。

ソーシー・サンタナ/Saucy Santana

フロリダ生まれのソーシー・サンタナは、昨年12月にデビューアルバムをリリースしたばかりだが、すでに数え切れないほどのミームを生んでいる28歳のカリスマ。オープンリーゲイでもあり、LGBTQ+コミュニティからも絶大な支持を得ている。

サム・トンプキンス/Sam Tompkins

まるで月に話しかけているような、あのTikTokのサウンドを作ったのが、ほかでもない現在24歳のサム・トンプキンスだ。イギリスはブライトンで路上ライブをやっていたミュージシャンだが、ポップス、R&B、インディー・ロック、そしてラップを融合させた曲がジャスティン・ビーバーの目に留まり、彼に「今一番好きな曲」とまで言わしめた。二人はその後、LAのスタジオで一緒に仕事をしているところを目撃されている。

ミミ・ウェッブ/Mimi Webb

チャーリー・ダミリオとのTikTokが8,500万回再生されたことで瞬く間にスターダムへとのし上がったケント州出身のミミ・ウェッブ。恋愛を歌ったアンセムが多数のオーディエンスの心を掴み、ファーストアルバムのリリースを待たずに2枚のシングルがトップ20入りを果たした。この快挙は、2017年のデュア・リパ以来、女性アーティストとして初めて。

2. アフリカの若き巨人。

世界の音楽シーンを席巻中のアフロポップの輩出者として、不動の地位を確立しているナイジェリア。中でも特に注目すべきは「アルテ(代替の意)」と呼ばれるムーブメントで、AmaaraeやTems、そしてデト・ブラックなど、『VOGUE』も注目するアーティストたちが牽引している。一方、南アフリカ発のエレクトリック・ミュージックである「アマピアーノ」も、世界の電波をハック中だ。

ルガー/Ruger

シングル「Bounce」が2,200万回再生され、Apple Musicのナイジェリアのチャートでトップになるなど、わずか1年で世界の音楽シーンに強い存在感を示したルガー。その音楽性はもちろんのこと、ピンクヘアに眼帯というアイコニックなルックスにも注目が集まる。

フォーカリスティック/Focalistic

南アフリカ発のハウス・ミュージック「アマピアーノ」のビートに乗せたメロディックなフローが持ち味のラッパー、フォーカリスティック。話題のプロデューサー、Virgo Deepと手がけた「Ke Star」のヒットをきっかけに、アフロポップ界のスーパースターであるDavidoとも2度にわたってコラボレーションし、大陸の豊かなサウンドをつなげる存在に。

アイラ・スター/Ayra Starr

昨年、完璧なコンセプトのデビュープロジェクトで颯爽とシーンに現れた弱冠19歳のアイラ・スター。安定感のある美しい歌声が魅力の、アフロポップ界期待の新星だ。

ティージー/TeeZee

ナイジェリアにおけるアルテ・シーンのゴッドファーザーであるTeeZeeは、画期的なメディア『Native』を通じてナイジェリアの若者のためのプラットフォームを構築したこのジャンルの先駆者。昨年も素晴らしいシングルをリリースし、ナイジェリアのクリエイティビティを象徴する存在であり続けている。

ソマディーナ/SomaDina

ソマディーナはまだ数作しかリリースしていないが、ポップパンクとラップの融合を試みた彼女の最新作は、一度聴いたら忘れられない中毒性がある。本作は同じく新星のSGaWDとのコラボで、他にもLady Donli、Davido、Amaaraeなどと共演している。

3. オルタナティブ/R&Bの先駆者。

自身の境界線を自在に操るオルタナティブ・スターや、クラシックなサウンドを完成させたアーティストにとって最もエキサイティングな空間の一つであり続けているR&B。ここでもZ世代の才能が開花しはじめている。

カマル/Kamal.

Z世代の繊細な19歳、カマルの悲しげな少年の歌は、ビリー・アイリッシュを含むスーパースターたちをも魅了している。昨年は自身と同じイギリス出身のラッパー、デイヴ(Dave)ともコラボを果たし、その実力を世界に知らしめた。

ムニ・ロング/Muni Long

ムニ・ロングはフロリダ出身。マライア・キャリーリアーナマドンナなど、錚々たる歌姫たちに楽曲を提供するなど、すでにソングライターとして大成功を収めている。しかし、現在バイラルヒットしている「Hrs And Hrs」を含め、昨年リリースされた2つのプロジェクトによって、ムニ自身も彼女らに比肩する歌姫であることを証明した。

ベラ/Bellah

R&Bとアフロビートを融合した楽曲とディズニープリンセスのような透明感のある声で頭角を現したベラにとって、2021年は飛躍の1年だった。2021年のグラミー賞候補でナイジェリア出身のTemsのロンドン公演のオープニングアクトを務め、ブラックミュージックを対象としたイギリスのアワード、MOBOにもノミネート。ステージではEnnyとともに圧巻のパフォーマンスを披露した。

Tora-i

鳥肌が立つような透明感のある声と優美なR&Bトラックで、リスナーを新しい世界へ誘うTora-i。ロンドンを拠点に活動し、ファッションメディアにも引っ張りだこのニューヒロインは、ケイト・モスが立ち上げたタレントエージェンシーと契約し、モデルとしても活躍中だ。

アマリアBB/Amaria BB

優れたトラップやR&BでUKの音楽シーンに現れたアマリアBBだが、中でも他と一線を画すのはダンスホール。スイートなヒット曲「Slow Motion」の次の作品では、同じくダンスホールの新星であるSkillibengが参加している。

4. ラップ界の神童。

よりメロディックで繊細な楽曲が受け入れられている感のある現在のラップシーン。一方で、これまで以上にハードな曲に挑戦するフィメールラッパーも登場している。

KayCyy

ケニア生まれ、ミネソタ育ちのKayCyyは、カニエ・ウェスト改めイェ(Ye)の下で1年以上学んだ最新の弟子。彼の新レーベル「YZY SND」と契約し、グラミー賞にノミネートされた「Donda」の作曲も担当した。ほかにもリル・ウェイン(Lil Wayne)やジャスティン・ビーバーともコラボしており、今年はこの24歳の豊かな才能がさらに羽ばたくことになりそうだ。

シティボーイモー/cityboymoe

ジョイ・オービソンがプロデュースしたトラックで、フォークラップとシンセティックなトラップを交互に繰り返すcityboymoeは、穏やかなビートの上で、説得力のあるラップと歌声を披露しています。昨年、Mustafaの感動的なデビューアルバム「When Smoke Rises」の2曲にもボーカルとして参加しています。

WEWANTWRAITS

ソマリアにルーツを持つイギリス人覆面ラッパー、wewantwraithsは、わずか数枚のシングルをリリースしただけで瞬く間にセンセーションを巻き起こした鬼才。ハイテンションでキャッチーなトラップ・ウェイブで、その動画は数百万回もの再生回数を記録した。

モナレオ/Monaleo

昨年、デビューシングル「Beating Down Yo Block」がTikTokを起点に大ヒットしたモナレオは、ヒューストン出身の20歳のラッパー。彼女の歩みは止まることなく、今年もすでに熱く型破りなトラックをリリースしている。

ジェシ/Jeshi

カルチャーへの批判を込めた詩的なリリックと独創的なビデオでUKラップシーンを席巻中の、ロンドン東部ウォルサムストウ出身のラッパー、ジェシ。同じく気鋭のイギリス人ラッパー、スロータイ(Slowthai)のツアーサポートや、シャネル(CHANEL)のショーのサウンドトラックにも起用され、独自の地位を固めつつある。

5. ポップ&ロックの旗手。

これまで以上に軽快かつプレイフルな傾向を強めているロックとポップ。もはや定義づけすることすら憚られるような自由さを有するジャンルとして、新しい才能を次々と生み出している。

ステイシー/STAYC

2020年に結成された韓国のガールズグループ、ステイシー。デビューLPのリリース前からオーディエンスの心を鷲掴みにし、ファンとの絆を育んできた彼女たちのポップスは、あくまでスイート。すでに何百万回ものストリームや再生回数を稼いでいる。

ミリー・ゴー・ライトリー/Millie Go Lightly

現在26歳のロンドン出身のシンガー、ミリー・ゴー・ライトリー。アメリカ人ラッパー、ヤング・サグ(Young Thug)の2017年のアルバム『Beautiful Thugger Girls』にも、天使のような歌声を提供し、一躍ラップ界のお気に入りシンガーに。昨年はソロ曲をリリースしたほか、リル・キード(Lil Keed)やジャック・ハーロウ(Jack Harlow)、AJトレイシー(AJ Tracey)、サーバビ―(SahBabii)の曲にもフィーチャーされた。

ドーラ・ジャー/Dora Jar

ニューヨーク出身、カリフォルニア生まれ。その華麗で唯一無二なインディー・ロックで、ウルフ・アリス(Wolf Alice)やコナン・グレイ(Conan Gray)など、同じZ世代のミュージシャンたちを魅了している新進アーティスト、ドラ・ジャー。ビリー・アイリッシュも絶賛する次なるスターだ。

Text: Amel Mukhtar

From VOGUE UK