川手寛康シェフのレストラン「フロリレージュ」は3月19日、南青山から神宮前に移転。ただ、その内容はインテリアも料理もガラリと変わった。何しろダイニングはコの字型のカウンター16席。中央に厨房があり、料理もサービスもすべてがゲストの目の前で一からスタートする。昼は6〜7品、夜は13品のコースのみ。料理の表現にも変化が。「今までひたすら目の前の素材をおいしくすることに集中してきたけれど、ここでやりたいのはもっとレストランという空間そのものを“おいしく”すること。僕らはもっとお客さんの前に出なくちゃ」。素材作りから始める地方の料理人との出会いに感激したという川手シェフ。翻って東京で自分ができることは何かを考え抜いた結果が、この“劇場型”だった。また、飲み物、パン、お茶など、選択基準を再考(詳しくは店のデータを参考に)。今の盛りだくさんな「フロリレージュ」は未完成だ。だからこそ刺激的でもある。こんな店を作るとは、川手シェフは本物の役者なのかもしれない。
リニューアルで変わったのは、1. ワインだけでなく、ノンアルコールのオリジナルドリンクのコースを用意。2. 焼きパンではなく、蒸しパンに。3. 食後の飲み物をコーヒーや紅茶でなく、緑茶やウーロン茶に。ランチは6〜7品 ¥6,000、夜13品 ¥12,500(税・サービス料10%別)
東京都渋谷区神宮前2-5-4 SEIZAN 外苑B1 TEL/L03-6440-0878 営業時間/12:00〜13:30LO、18:30〜20:00LO 定休日/水曜、月1 回連休 カウンター16席 個室1(6席まで)
犬養裕美子
レストラン・ジャーナリスト。3泊5日のイタリア弾丸取材。おりしもミラノは万博がちょうど始まるところ。ところがオープニングに工事が間に合わないところが多々あり。結果、今回はパスして、全部オープンしたら改めて行くことにした。一応、日本館の基本計画策定委員として、プランニングに参加したので、その成果を見てみたい!