トモ コイズミ / TOMO KOIZUMI
デザイナー小泉智貴が立ち上げたファッションブランド。小泉智貴はジョン・ガリアーノが手がけたディオールのオートクチュールの写真を見て衝撃を受けたことをきっかけにファッションに興味をもつ。中学生のころから独学でファッションデザインや裁縫を始め、高校在学時にコスチュームデザイナーのアシスタントを経験。千葉大学に進学し、デザイナーとしての活動を本格的にスタートさせた。加藤ミリヤやパフュームなどの多くの国内ミュージシャンの衣装デザインを担当している。スタイリスト兼『LOVE』編集長のケイティ・グランドにインスタグラムを通して才能を見出され、2019年2月、ニューヨーク・ファッション・ウィーク期間中にマディソン街のマーク ジェイコブスの旗艦店で初のショーを開催するチャンスが訪れる。女優のグェンドリン・クリスティー、ベラ・ハディッドやカレン・エルソンなどの著名モデルたち、クリエイティブにおいては、メイクはパット・マクグラス、ヘアはグイド・パラオという異例中の異例とも言えるドリームチームが結成された。オーガンジーをラッフルにしたパーツをつなげ、さまざまに変形させた色鮮やかなドレスを発表し、国外でほぼ無名だったトモ コイズミはこの1日をきっかけに一躍世界に名を広めた。同年5月に開催されたMETガラでは、タイ出身のファッション・エディター兼起業家、ニチャパット・スップハップが、トモ コイズミのドレスを纏って参加した。同時に、テーマ「CAMP」に沿ってデザインされたドレスはメトロポリタン美術館の展覧会に展示された。彼のアイコニックなフリルドレスは、東京・日暮里の生地店で安く売られていた日本製のポリエステルオーガンジーの多彩な色に小泉智貴が興味をもち、使用し始めたのが誕生のきっかけ。独特のボリューム感や色使いは、衣装の仕事をしていた中で培われた、着る人にスポットが当たるよう遠くからでもわかるメリハリのあるデザインへの意識から生まれている。