TIP 1. 目もとに“影色”を宿して存在感を強調する
ジェンダーの垣根を越えた今、“誰もが”日常的にメイクを楽しむ時代に。メイクをしているのか、していないのか─その間を狙った、頑張りすぎないステルス仕上げが重要だ。今回お話を伺った小嶋克佳さんは、「まずは目もとに陰影をつけるところから。目の輪郭や、目もとの骨格が際立ちメリハリがつきます。ヴィヴィッドな色で彩らなくても、印象が変わりますよ」と話してくれた。具体的に、どのように目もとに陰影を宿すのがジェンダーニュートラルなアイメイクなのか? 「ブラックやディープブラウンのアイライナーで、まつ毛の間を“ドット”で埋めていきます。そうするとまつ毛が増えたような錯覚が生まれて、目のフレームがはっきりと、力強い眼差しに」。ブラウントーンのアイシャドウをシェーディングのように使うのもいいと小嶋さんは話してくれた。「ブラウントーンのアイシャドウを、目の際をはずしてアイホールに広く、薄くのばします。ナチュラルに陰影ができて、メイク感を強めずにアイメイクを仕上げることができ、目力も誕生。目の際にハイライトカラーをのせると、よりコントラストができるので好みで調整を。もし、物足りないと思ったら、下まぶたに細くアイシャドウをのせてみて」
TIP 2. 1本ずつ“、毛流れ”を意識して眉を整える
「1本足すor 減らす、毛流れを上向きにするor下向きにする。それだけで、シルエットや顔の印象までも変わる眉は、ジェンダーニュートラルメイクに欠かせない重要なパーツです」と小嶋さん。その眉の最適解とは? 「例えば、眉頭に1本、眉尻のスペースを1本ずつ描き足していくだけで、立体感が増します。また、毛流れをつくるだけでも整った状態に。メイクをしている感じを出したいわけではないけれど、何もしないのは違う。そんな絶妙な加減を目指すのがいいと思います。眉全体の密度を埋めすぎないことも大切」。どんなアイテムなら、その“絶妙さ”を叶えてくれるのだろうか。「眉頭や眉尻の1本を捉えるためには、とにかく“細い”アイブロウペンシルを使うこと。毛流れをつくるにはアイブロウマスカラで眉頭を下→上、眉尻を上→下に」。丁寧かつ細やかなテクニックこそが、洗練された仕上がりへの近道だ。
TIP 3. 唇の内側に、にじんだような血色感を宿す
このメイク法は、化粧感を削いでいく作業が重要。だが、同じくらい大事なのが全体のバランス感だと小嶋さんは話す。眉、目もとに立体感や陰影をつけた分、唇には血色感を程よくプラスするのがいいのだそう。でも、ちょっとしたコツがある。「唇の輪郭をコンシーラーで曖昧にしてからリップで血色感を。その方が、素の唇っぽさが出てナチュラルに。リップは、唇の内側を指でタップするようにポンポンとのせて、じんわりと色がにじむくらいがベターです。しっかり縁取って塗るとメイク感が出すぎてしまうので注意を」。血色感=赤、ということではない。リップの色選びにも工夫が必要だ。「“赤み”を忍ばせたブラウンやテラコッタなど、肌なじみのいいカラーが、素の唇の延長線上でメイク感を演出できる色合いです。にじんだ感じを出すのが難しい場合は、ティントタイプのリップでお試しを」
話を聞いたのは……
KATSUYOSHI KOJIMA
小嶋克佳。ヘア&メイクアップ・アーティスト。2016年よりキャリアをスタートさせ、雑誌や広告等、幅広く活躍中。ファッション、ムード、トレンドを唯一無二のバランス感覚で見極めてヘア&メイクに落とし込む。その仕上がりには多くのファンが。
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Photos(Products): Shinsuke Kojima, Daigo Nagao Text: Mariko Urayasu Editor: Risa Yamaguchi
※『VOGUE JAPAN』2024年2月号「3 TIPSで解説! 自分らしさを叶える、“ジェンダーニュートラルメイク”」転載記事。
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