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全国のLGBTQIA+フレンドリーな書店をピックアップ! プライド月間に安心して訪れたいクィアな本屋たち

LGBTQIA+の当事者そしてコミュニティにとって、安心して心地よく足を運べる“居場所”は重要かつ不可欠なもの。そしてクィアに関する本を取り揃えた書店はそんな場所になりうるはず。今回は全国のクィアフレンドリーなブックストア8店舗を厳選して紹介! プライドマンスにも普段にも、お目当ての本や人との出会い、居場所を探しにぜひ訪れてみて。

loneliness books(東京・新大久保)

Photo: Courtesy of loneliness books

loneliness books」はクィアジェンダー孤独や連帯にまつわる本やZINEをメインに扱い、アジア各地の小さな声を発信するブックストア。所狭しと並ぶLGBTQIA+やジェンダーにまつわるアジアの本に囲まれながら、それらに触れる時間は濃密でいて、唯一無二。また、クリエイターや作家などと不定期で映画の上映会や読書会を開催するほか、イベントやレイヴなどでの出展も精力的に行う。

書店コメント:「(ここ以外にも)おすすめのクィアフレンドリー書店はたくさんあります。岐阜の『本屋メガホン』や中野の『タコシェ』、高円寺の『Dig A Hole Zines』などもおすすめです」

Photo: Courtesy of loneliness books

住所/東京都新大久保(詳細は予約後に通知)
・東中野に夏頃移転、実店舗としてオープン予定。詳細はSNSで。
営業時間/予約制
・詳しくはウェブサイトの予約ページを参照
・オンライン販売もあり
Instagram/@lonelinessbooks
https://qpptokyo.com/

1003(兵庫・神戸)

Photo: Courtesy of 1003

兵庫県の神戸、南京町を海側へ抜けた乙仲通り沿い。古い雑居ビルをエレベーターで5階に上がると「1003」はある。壁も床も真っ黒だが、大きな窓が開放的な店内には実に幅広いジャンルの本が並ぶ。新刊、古本のほか、リトルプレスを多く扱う書店でもある。

リトルプレスは幅広く流通している一般書籍と異なり、個人で取引しているものが多いため、その店でしか手に入らないものも。そういった発見ができるのも、地域に根ざした独立書店ならではの楽しみ方。

書店コメント:「店主自身、関心を持つジェンダーやフェミニズム関係の本を多く扱っています。誰もが安心して過ごせる場でありたいと意識して日々、店を開いています」

Photo: Courtesy of 1003

住所/兵庫県神戸市中央区栄町通1-1-9東方ビル504号室
営業時間/12:00-19:00(定休日なし)
Instagram/@1003books
https://1003books.stores.jp/

ポポタム(東京・池袋)

Photo: Kenji Kagawa

住宅街の一角、上り屋敷公園から路地を入るとブックギャラリー「ポポタム」が見えてくる。名前の通りギャラリーが併設されており、定期的にポップアップやトークイベント、アート展示などが行われている。ポポタムは韓国台湾をはじめとしたアジアの作品、日本ではここでしか出合えない本も。幅広い書籍を扱う貴重な書店の1つだ。

書店コメント:「綱引きみたいに緩めるとすぐに引きずられる。意識的に力を込める1カ月があってよかった!」

Photo: Kenji Kagawa

住所/東京都豊島区西池袋2丁目15−17
営業時間/月曜日金曜日15:00〜20:00、土曜日日曜日14:00〜19:00
・定休日:火曜日、水曜日、木曜日
https://popotame.net/

TOUTEN BOOKSTORE(愛知・名古屋)

Photo: Courtesy of TOUTEN BOOKSTORE

名古屋・金山にある「TOUTEN BOOKSTORE」はコーヒーやビールも楽しめる新刊書店。ガラス戸を開けると縦に長い店内に所狭しと本が並ぶ。奥にはイベントスペース、2階にはカウンターや円形のスツールもある。読書の時間を共有する"READING GHOSTS"やゲストを招いて開催する"TOUTEN BOOK CLUB"などコミュニティとしての側面も持っているのも魅力。

書店コメント:「戦争や虐殺のない世界、偏見や差別のない社会のためにそれぞれができることを。プライドマンスが日常になることを願っています」

住所/愛知県名古屋市熱田区沢上1丁目6−9
営業時間/10:00~18:00
・金曜日のみ、10:00~21:00
・定休日:日曜日、第1・3月曜日
Instagram/@touten_bookstore
https://www.touten-bookstore.net/

本と喫茶 サッフォー(茨城・つくば)

Photo: Courtesy of 本と喫茶 サッフォー

フェミニズムやジェンダー、福祉の書籍を扱う「本と喫茶 サッフォー」は、ハーブティーを片手にゆっくりと過ごしたい方におすすめ。喫茶ではドリンクはもちろん、おつまみや軽食のメニューも豊富。埼玉朝鮮初中級学校と、そこに通う子どもたちへの支援を目的として作られる「埼愛キムチ」を食べることができるのもうれしい。飲食ができる書店として、ヴィーガンビビンパが食べられるイベントや、書籍にまつわるトークイベントなども開催している。

書店コメント:「性のありようは人の数だけ存在します。サッフォーはあらゆる性と生を尊重する本屋でありたいと考えています」

住所/茨城県つくば市天久保1丁目15番地11 アイアイビル 104号室
営業時間/水曜日〜金曜日 11:30〜18:30、土曜日 12:00〜19:00、日曜日 12:00〜18:30
・定休日:月曜日、火曜日
Instagram/@bookcafe__sappho
https://bookcafe-sappho.com/

MINOU BOOKS(福岡県・うきは市 、久留米市)

Courtesy of MINOU BOOKS

「MINOU BOOKS」は福岡県うきは市吉井町と久留米市小頭町に2店舗を構える。衣食住といった生活周りの本からアートブックまで、“暮らしの本屋”をテーマに選書。この土地に住む人たちの暮らしを多様な視点から捉え、本棚を通して考える場所を作っている。

オンラインで販売されている書籍も、暮らし、地域、社会といった区切りで分類されているのが印象的。久留米店では定期的にイベントが催されているほか、カフェやスイーツが堪能できるイートインスペースも併設している。

Courtesy of MINOU BOOKS

住所/福岡県うきは市吉井町1137、福岡県久留米市小頭町10-12 1F
営業時間/水曜日〜月曜日 11:00-18:00
・定休日:火曜日
Instagram/@minoubooks
https://minoubooks.com/

book cafe 火星の庭(宮城・仙台)

Courtesy of book cafe 火星の庭

宮城県、仙台市の定禅寺通りにある「book cafe 火星の庭」は、ゆっくりと読書ができる静かな古本屋とカフェ。カフェのみや本探しのみの来店ももちろん可能。トークや音楽ライブ、映画上映、読書会、政治や社会についてのディスカッションの場など、さまざまな人たちと出会い、対話ができる機会も設けている。

書店コメント:「認めるも認めないもこの世界は初めから多様であって、人間をふくめた生きものすべてが固有の存在。そのことを高らかに謳うのがクィアで否定するのが差別であると、くり返し確認していきたいです」

住所/宮城県仙台市青葉区本町1丁目14−30
営業時間/木曜日〜月曜日 11:00~18:00
・定休日:火曜日、水曜日
Instagram/@kaseinoniwa
https://www.kaseinoniwa.com/

チェッバンクル(ソウル・麻浦区)

Courtesy of チェッバンクル

日本から少し飛び出して、韓国の書店も1つ紹介。「チェッバンクル」はNGO団体UNNInetworkが運営するクィアフェミニズム書店。LGBTQIA+やフェミニズムに関する雑誌や小説、アクティビズムにまつわる書籍が集まる。近隣には、戦争と女性の人権博物館や、ヴィーガンフレンドリーのバーなども揃うホットなエリア。ぜひ訪れてみては。

書店コメント:「日本から多くの方が訪ねてくれるようになり、日本にも韓国と同じようにクィアが存在することを実感しています。 プライドマンスには韓国と日本のクィアたちがその存在感を示し、より多くの人々に可視化されること。また、権利を持つ人々だと認識されることを願っています」

住所/서울 마포구 월드컵북로5나길 18 대우미래사랑(書店ハングル名:책방꼴)
営業時間/月曜日〜金曜日 14:00~19:00
・土曜日は不定期営業
・定休日:日曜日
Instagram/@ccol___
http://www.unninetwork.net/

Text: Kai Miyaki Editor: Nanami Kobayashi