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2025年の春夏ランウェイショーは、小笠原伯爵邸で開催した。今シーズンは、デザイナーのヴィヴィアーノ(VIVIANO)のデザイナー、ヴィヴィアーノ・スーの愛する花、とりわけ薔薇が着想源。“My Garden”をテーマに創出した鮮やかな色が会場を彩り、開花した。今回、VOGUE JAPANはバックステージに潜入。デザイナー、ヘア、メイクアップ・アーティストの3人にインタビューを行った。それぞれの立場から生まれたアイデアにショーへの温かな思いが伝わってくる。
デザイナー:ヴィヴィアーノ・スー
7月に初のメンズコレクションを発表し、その後、初めて迎えたウィメンズのコレクション。「もともとユニセックス ムードのあるブランドですが、マスキュリンな要素をメンズコレクションで展開しました。これにより、これまで発表したコレクションよりもフェミニンやエレガントな印象が増したと考えています」とヴィヴィアーノ。本コレクションのテーマのインスピレーションになったのは、花。「大好きなんです。特に薔薇。家のベランダでは色々な色の薔薇を一種類ずつピックアップして育てているほど、好きです。その薔薇の要素を今回のコレクションにはたくさん入れました。5月は花が一斉に開くのですが、嬉しさのあまりたくさん写真を撮ります。それは、きっと服作りと花を育てることが似ているからだろうと思います。きちんと愛情を注げばちゃんと応えてくれ、しっかりと育ち、美しい花を咲かせます。そんな植物は服と共通していると思えます。そこから、今回はガーデンをテーマに、緑をキーカラーにしたコレクションにしたいと考えました」
コレクションのヘアとメーキャップについては、「みんなで話し合って、アイデアを出し合い、方向性を探っていき、みんなで作り上げます。こうしてください、と私からお願いすることはしません、そういうのは好きじゃないんです。服というものは楽しむものだから、コレクションやショーも楽しんで作りたい。私の一番大事にしたいのは、楽しむこと。チームの雰囲気も同じくらい大切です。穏やかで楽しい時間をチームのみんなと過ごしたい」
ヘア:ASASHI
テーマとなった“ガーデン”らしい色だけでなく、コレクションの中にある黒の締まった色にも注目したという、ASASHI。「ヘアは、子どもが三つ編みを作っていく様子をイメージした時、面白いのではないか、と考えました。子どもが作ったような雰囲気に加え、オーガニックな要素をオンできるよう、ヘアスタイリング剤などのプロダクトを使わずに三つ編みを作った」と話す。子どもが遊びながら作っているようなムードの漂うスタイルが生まれた。「ゴシック調の、黒い服とミックスしたスタイルに、三つ編みの束感のあるタフな女性像。そこに“ガーデン”にあるナチュラルでオーガニックなニュアンスを与えたい、と提案しました」
すべてのルック、モデルのヘアのキーとなるのが三つ編みだ。「モデルそれぞれの髪質や顔を見ながら太さや細さなどを変えていきました」一人一人に異なる三つ編みから生み出されるコントラストの妙。「面と立体感とテクスチャーを融合することで、髪の本質の美しさを引き出すのが良いかな、と。ナチュラル感に少しのエッジを効かせるのが、今回の僕のテーマであったように思う。その上で、ファッションとマッチするヘアを提案しました」
メイク:Asami Taguchi
「例えば大人には大人の良さがあります。会場の雰囲気とテーマのガーデンも相まって、アリスのティーパーティーのような、風変わりな人たちのさまざまな個性が集まってきた場所のようなものを最初にイメージしたこともあり、その思いを大切にして作りました。単純に、春の明るい庭の、という印象とは違う、それぞれの個性を生かすことを第一に考え、それぞれが魅力的なキャラクターになるようにしたかったんです」子どものあどけなさを感じさせるヘアに応じたメイクアップが田口さんの答えだ。そのアイデアから生まれたメイクアップはカラフルで、明るい印象すらある。
「先ずは花が咲いている風景を想像しました。それから服を見て、キーカラーのグリーンや質感に触れて、柔らかい色を使いたいと思ったのです。モデルの年齢層や人種はさまざまなことから、それぞれに個性的な色を使って。具体的には、パステルトーンで統一し、淡い色をセレクト。モデルに選んだ色は、服の色をリストアップしてもらい、モデルの個性を考慮して決めていきました。それぞれに選んだカラートーンは、ある程度決めていましたが、それぞれの個性を引き出せるように調整しました。ベースメイクは極めてナチュラル。モデルそれぞれに潜む個性を活かせるようにしたかったのです」
Photos: Koji Hirano Text: Akira Watanabe Editor: Rieko Kosai
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