2014年にスタートした巨大開発プロジェクト・虎ノ門ヒルズの最後を締めくくる地上49階建て、高さ266mの超高層ビルとして、2023年10月に誕生した「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」。先行して営業開始したオフィスや商業施設に続き、タワーの11階から14階までの4フロアを占める「ホテル虎ノ門ヒルズ」が、12月6日についにオープンした。ハイアットの「アンバウンド コレクション by Hyatt」ブランドにとって東京初のホテルだ。
客室、レストランやバーなどを含む館内のデザインは、世界一予約の取れないレストランと言われた「Noma」を手掛けたデンマークのデザインスタジオ「スペース・コペンハーゲン」が担当した。日本建築にも通じる流行に左右されないタイムレスでミニマルなインテリアは、北欧の美意識に満ちている。
全205室の客室のうち、160㎡のシグネチャー「虎ノ門スイート」2室を含むスイートが30室。メゾネットタイプの虎ノ門スイートは、1階部分にリビングルームとダイニングスペース、キッチンがあり、2階部分にベッドルームと浴室を備える。広々としたリビング・ダイニングエリアは宿泊を伴わないミーティングやイベントなどにも利用可能だ。天井までの高さの大きな窓はすべての客室に共通で、開放的な空間を演出。バスアメニティには国産植物を使う京都発のオーガニックブランドNEMOHAMOを採用し、各室に飲料用の浄水器専用の水栓を備えるなど、ゲストの快適性とエコを両立させている。
チェックイン前に利用できるシャワーブースやリラクゼーションルームを完備
特筆すべきは、エアポートラウンジを彷彿とさせる「The Lounge(ザ・ラウンジ)」だ。総床面積350㎡におよぶフロアに、早朝到着するゲストのためのシャワーブースやリラクゼーションルームを設置したほか、東京タワーをはじめ、東京の風景を一望する天井高6mあまりの開放的なラウンジ&ワーキングスペースも提供している。宿泊客はチェックイン前から利用可能で、例えば早朝に羽田や成田に到着するフライトを選んでも、ホテルに直行すればよく、行き場所を探してさまようこともない。
東京メトロ日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅と直結するステーションタワーには、ホールやアートギャラリーなどからなるTOKYO NODEのほか、約70店ものショップやレストランが軒を連ねるが、注目は日本初上陸となる、セルジオ・ハーマン監修の新感覚ガストロノミー「ル・プリスティン東京」だ。セルジオはオランダの地方都市で家族が経営していた小さなレストランを、ミシュラン3つ星を獲得するまでに押し上げた伝説のシェフ。「世界のベストレストラン50」に8年間連続ランクインした、軽やかでクリエイティブな料理に出合うことができる。
食、ファッション、デザイン、アート、音楽が混然一体となる没入型ガストロノミー
「ル・プリスティン東京」は、オールデイダイニングとして位置づけられるカフェ&バーと、カジュアル・ファインダイニングのレストランからなり、ベルギー・アントワープに本店を置くル・プリスティンのDNAである5つのエレメント、「食」「ファッション」「デザイン」「アート」「音楽」が混然一体となる没入型ガストロノミーを提供する。
例えば、旬のハマチ、毛蟹にたっぷりの黒大根を合わせ、柑橘のソースとピスタチオを添えた前菜や、耳たぶのようなショートパスタ、オレキエッテに、ふんわりと火入れした国産のエビ、ロブスターなどのたっぷりの魚介を合わせた「オレキエッテ ゼーラント風」など、セルジオの故郷のオランダ・ゼーラント地方のレシピと日本の旬の食材を融合させたコンテンポラリーな料理は、どれも華やかで心躍る一皿だ。日本に居ながら本店のシグネチャーディッシュが味わえるのは喜ばしい限りだ。
ホテル虎ノ門ヒルズは、2014年の虎ノ門ヒルズ 森タワーの開業以来、進化を続けてきた虎ノ門ヒルズ・プロジェクトの最後を締めくくり、「街に開かれたホテル」として、虎ノ門エリアだけに留まらず、国際都市・東京のビジネスやショッピング、エンターテインメントのハブとなるだろう。
ホテル虎ノ門ヒルズ
東京都港区虎ノ門2-6-4 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
Tel./03-6834-5678
料金/1室1泊 スタンダードルーム63,250円~、スイート126,500円~ ※2023年12月現在
https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/hotel-toranomon-hills/tyoub
Text: Yuka Kumano Editor: Mina Oba
