編集O 季節の変わり目は天候が安定しないので羽織りものものがマストですよね。まもなく梅雨シーズンということもあり、今週は、雨の日だったり端境期に活躍するアウターのお話を聞きたいです!
一ツ山 今や高機能素材は特別なものではなく、ファッションとして定着しつつありますよね。防水防風の本格派から、デザイン性も兼ね備えたデイリーユースにぴったりな撥水加工のものなど、選択肢は本当に多いと思います。あと正確には、機能系の素材ではなくても「中間アウター」と呼ばれる3シーズン使えるような軽量素材もチョイスのひとつとしてはアリですよね。
編集O 確かに軽量素材のアウターは、アウトドアだけでなくシティユースとして進化している印象があります。着心地も抜群ですし、持ち歩きにもぴったりですね。一ツ山さんは、こういった軽量アウター的なものを日常で取り入れることはありますか?
一ツ山 雨の日だけではなくテック系の素材だったり、ライトな感じのアウターはスタイリングによく取り入れます。個人的にあまり傘をさすのが好きではないので、ちょっとした移動しかしない日はそういうアウターだけで乗り切ることもありますよ。もし今から買うなら、トランスペアレントな感じだったり、裏地がない一枚仕立てのものを選ぶといいと思います。
編集O 大人が普段使いするならあまりカジュアルになり過ぎないものが理想的ですよね。
一ツ山 そうですね。街で楽しめるようなモードなアイテムや、今年らしい着こなしをこれからご紹介させていただきます。
目的別おすすめアウターを選ぶポイントをまとめておさらい。
編集O 最近はデザインも進化していて、ランウェイでも登場していましたよね。
一ツ山 今シーズンのステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)はすごくいいお手本だと思いました。センシュアルだけれどもオーバーサイズでリラックスしたムードが今の気分。アーティな肌見せアイテムとの組み合わせもポイントです。
編集O ロング丈だと、バサっと羽織るだけでサマになるところがいいですね。
一ツ山 お仕事スタイルなどをもう少しカチッとした感じが欲しいという人は、ステンカラーコートやトレンチっぽいものなど襟付きのデザインもいいと思います。今シーズンは探してみると結構見つかると思います。
編集O そういえば以前にスタイリストの木津さんがご紹介してくださったヴェイランス(VEILANCE)もそういったきれいめに着られる多機能アウターが揃っていて、気になっています。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
一ツ山 アークテリクス(ARC'TERYX)のファッションラインですよね。ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)などアウトドアブランドでも最近はとてもデザインが洗練されているものが多いので、探してみるといいかもしれません。機能面に関してはお墨付きなのでアクティブに動く人にはピッタリかと。
透け感orアクセントになるカラーで、コーデをブラッシュアップ。
編集O 素材感的にもカジュアルになりがちなアイテムですが、モードに着こなすためのポイントはあるのでしょうか?
一ツ山 今年だったら、インには肌見せアイテムを取り入れるのがおすすめ。着慣れていない人はクロップドトップなど、さりげなく素肌をアピールしてくれるものから始めてみるといいのではないでしょうか。
そしてライトなアウターだからこそ、カラー系にトライしてみるのもいいかも。ワードローブがシックな人は、パンチの効いたカラーもしくは素材感があるものを選ぶと、ぐっとおしゃれに見えると思います。
モードなアウターが見つかる注目ブランドをピックアップ。
編集O 軽量アウターが見つかるブランドも教えて欲しいです!
一ツ山 ハイク(HYKE)はトレンドに関係なく、以前からライトなアウターをよく出しているイメージがあります。シンプルで洗練されたデザインを探している人におすすめ。よりモード感を求める人はサカイ(SACAI)も是非チェックしてみてください。
編集O ともにトレンド感もありつつ、長く使えるデザインが見つかりそう。
一ツ山 Oさんみたいにスラッとした体型の方がロングアウターをばさっと羽織っていたら、絶対に素敵だと思います。
あとはもう少しカジュアルな感じだったらラコステ(LACOSTE)をチェックしてみてもいいかも。今シーズンのランウェイもかわいかったです。
編集O ラコステ、まさに私好みです!透け感を生かした色のレイヤードが素敵です。
一ツ山 そして先ほどもご紹介しましたがステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)では、使いやすそうなブラックも出ていました。計算されたシルエットがさりげないおしゃれな人を演出してくれそう。
編集O 3シーズン使えるとなったら投資しても損はないですよね。
一ツ山 レイヤードすれば冬も楽しめるので、実はオールシーズン使えるアウターといっても過言ではないのかも。最初の一着目は信頼できるブランドで買うと失敗することがないのでいいと思います。
一ツ山さんの軽量アウタースタイルをご紹介。
イザベル マラン(ISABEL MARANT)のロングコートは、オーバーサイズでありながらモードなディテールを備えたまさに今年らしい一枚。ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)のパンツ&バッグでメリハリを加えつつ、大人っぽいスタイリングにまとめてみました。私はあまり背が高い方ではないので、ヒールを合わせてバランスを取ったのもポイント。イザベルマランは毎シーズンではないのですが、素敵なライト素材をよく出しているので必ずチェックします。
そしてショート丈でも活躍しているものがあるのでご紹介します。アレキサンダーワン(ALEXANDERWANG)のものなのですが、今年らしいバランス感でコーディネートもしやすくて気に入っています。着た時のシルエットもとてもきれいなので、カジュアルになり過ぎないところも大人向け。皆さんもぜひお気に入りの一枚を見つけて、憂鬱な梅雨シーズンのおしゃれを楽しみましょう!
Profile
一ツ山佳子
VOGUEをはじめエディトリアルや広告、トップアーティストのスタイリングなど幅広い分野で活動。2014年にファッションコンサルティング&プロダクションカンパニー「SLITS Inc.」を設立し、ブランドのアドバイザーや商品開発などディレクション業でも多忙を極める。
Text: Asa Takeuchi Editor: Kyoko Osawa