マーティン・ローズ / MARTINE ROSE
イギリス・ロンドンのメンズウェアブランド。2007年、デザイナーのマーティン・ローズがニューヨーク・ソーホーにあるブラック・プライベート・メンバーズ・クラブで、10枚のシャツを販売し、メンズウェアのシャツレーベルとしてスタート。ユースカルチャーやギャング、ヒップホップといったアンダーグラウンドなサブカルチャーから、伝統的なマスキュリニティ、印象的なユニフォーム、古着まで、あらゆるものからインスピレーションを得たコレクションの核にあるのは、ほかとはひと味違うワードローブの定番アイテム。音楽から強く影響を受けた彼女が手がけるコレクションは、懐かしさと斬新さが共存した予想外のデザインが特徴的。ストリートの代名詞であるビッグシルエット、色と柄を無秩序に組み合わせたようなグラフィカルな要素が目を引き、意外性のあるアプローチが見られる。アイテムで言えば、クラシックな千鳥柄の生地を使用しながらもフォルムはオーバーサイズのテーラードジャケットなどが代表的。強い存在感を放つアイテムはもちろん、スタイリングに関しても、ドレッシーなシャツにスイミングウェアのようなショートパンツを合わせるなど、デザイナーの挑発的な姿勢が見られる。シーズンごとに、ウィットに富んだクリエイションでファンを増やし続けている。2012年、ファッション イースト創設者、ルル・ケネディからサポートを受け、初の単独ショーをロンドンで開催すると同時に、ブリティッシュ・ファッション・カウンセル協賛の「NEWGEN」賞を受賞。イタリアにあるカルト的人気を誇るセレクトショップ「スラム ジャム」監修のもと行われたビーントリルとのコラボレーションプロジェクトを果たし、一躍次世代デザイナーとして注目される。また、革新的アイウェアブランド、マイキータやイタリアのスポーツメーカー、ナパピリとのコラボレーションも成功させている。2017年春夏シーズンより、デザイナーのマーティン・ローズはデムナ・ヴァザリア率いるバレンシアガのメンズウェアのチームにコンサルタントとして参加するなど、メゾンブランドからも一目置かれ、活躍のフィールドを広げている。