3月は魚座の影響で“終わりと始まり”が交錯
yuji(以下y) 2025年は上半期に変化が多い年。星の動きを見ると、1月、3月、5月、7月は節目となるタイミングです。なかでも3月は新生活のスタートを切る時季でもあり、“出会いと別れ”も相まって、フレッシュな空気が漂うシーズン。3月を司る魚座は、12星座のラストの星座であり、“終わり”を象徴します。なにかが終わり、そしてまた始まる。特に今年は、終着駅と始発駅が両隣にあるような、終わりと始まりが交錯する年です。
そしてこの3月末に海王星が牡羊座に入ることにより、自分がどんな人かを見つめ直し、個性を再定義する大きな流れがきています。3月末からバチッとスイッチが切り替わるというよりは、その前後でグラデーションのように、そういったムードが出てくるイメージ。さらに、3月21日までは太陽が位置する魚座の部屋に土星が滞在。水星が成長や課題、未来の方向性を示すドラゴンヘッド(太陽と月の軌道が交わるポイント)と重なり、魚座のエリアで“団子状”に混み合います。魚座の影響で浄化やヒーリング、スピリチュアルといったムードが強まりそう。
瞑想やマインドフルネスで“思考を客観的に見る”
y そんな魚座の時期は、瞑想やマインドフルネスを行うにふさわしいシーズン。お金や時間などのエネルギーを注ぎ、インナージャーニーを通して、自身の中にある“答え”を見つけるタイミングです。3月のテーマ「瞑想、マインドフルネス」の専門家である吉田さんは、何がきっかけで自身の内面と向き合うことになったのでしょうか?
吉田(以下吉) もともと潜在意識や集合的無意識、悟りや瞑想といった精神世界に興味はあったのですが、社会人になってから仕事やプライベートがなんだか上手くいかず、ネガティブになっていた時期があり、現状を変えたいという気持ちから、脳科学の書籍で紹介されていた瞑想を始めました。試すうちに、“思考を客観的に見る”ということができるようになり、圧倒的に心が楽になる実感があったのです。
思考を客観視することを“脱・同一化”というのですが、「自分の思考は色眼鏡のようなもの。真実ではなくひとつの解釈である」と捉えられるようになると、ネガティブな感情に振り回されなくなり、心の安定が訪れます。かつて、瞑想や“今”に集中して観察をするマインドフルネスは、信仰やスピリチュアルといった偏ったイメージを持たれがちでした。しかし今は、GoogleやIntelといった企業も導入するなど、生活に役立つ脳のトレーニングであるという捉え方が浸透。現在は多くの人にその魅力を伝える活動を行っています。
y とても共感します。星占いも、怪しい、スピリチュアルなどと言われがちでしたが、我々の生活に役立つナレッジなんだよ、ということを伝えるうちに潮目が変わり、人々の受け止め方が変化してきました。実は、吉田さんと僕は、同じ山羊座生まれという共通点があるんです。お話を伺うと、事務所を構えたり、書籍を出すタイミングがリンクするなど、シンパシーを感じますね。身体的でないほうのウェルビーイングという意味で、瞑想やマインドフルネス、星占いは、ともに役に立つと感じています。
吉 経営者の方などで、取り入れている方が多くいらっしゃいますね。今ここに生じているストレスそのものは変えられなくても、それをどう認知して、どう捉えるかで、深い苦悩を抱えるのか、あるいは気持ちを切り替えて次へ進めるのか、が変わります。つまり、ものの見方や捉え方が、問題や苦悩を作っているということ。瞑想やマインドフルネスを行うと、そのことに気づくことができ、結果、思考との付き合い方がうまくいくように。不安や焦り、自己嫌悪といった感情と距離を置くことができるのです。
「脳も老化する」という事実
y 瞑想やマインドフルネスをどのくらい続けると、変化が感じられるのでしょうか?
吉 一説によると、たった10分でも効果があり、45分の瞑想を8週間毎日続けると、脳の構造に変化があるといわれています。マインドフルネスでは自分の外側と内側、それぞれの事象を“出来事”として、まるで雲や川、木の葉が流れていくのを見ているときのように、ただ観察していきます。内側の思考や感情も、「今、そういう思考が浮かんだ」というように捉えるのです。良し悪しをジャッジするのではなく、純粋に認識をする練習をします。一喜一憂する自分の「エゴ」を客観的に見つめる「メタ認知」ができるようになることで、不安やメンタルの不安定さを手放すことが可能に。
短期的な効果としては、自律神経が整って眠りが深くなったり、呼吸が落ち着いて心が安定します。考えすぎている無意識の状態が沈静化。長期的には、前頭葉にある前頭前野が活性化し、“恐れ”を感じる部分である扁桃体が小さく変化。傷ついた海馬が修復されることも報告されています。万人におすすめできますが、特に40歳を超えた中年期は、瞑想やマインドフルネスの“はじめどき”。一般に、更年期によるホルモンバランスの影響で、女性はメンタルが落ちてしまったり、男性はやる気が削がれてしまったりしやすいので、自立神経を整え、脳の衰えをカバーするという意味で、中年期以降はより意義が高まると考えています。
40歳を超えてからネガティブになったり、些細なことでイライラしやすくなった人は、前頭前野の働きが衰え、扁桃体が過敏になっている可能性がありますね。それがさらに進むと、うつ病の引き金となることも。セルフケアの一環としてぜひトライしてみてほしいですね。また、マインドフルネスを続けると、細胞の染色体の端にある、“命の回数券“と呼ばれるテロメアの減少が遅くなるという研究もあります。健康寿命にも大きな関わりがあるといえるでしょう。
y 想像以上に、我々の心身に変化をもたらすものなんですね。
Profile
yuji
星読み係、ヒーラー。 香川県高松市生まれ。18歳でイタリアに渡り、現地大学院卒業。ミラノにてプロダクトデザイン事務所に勤務するも、ヒーラーとしての宿命に抗えず拠点を東京に移し、ヒーラーとして活動する決心。現在は書籍執筆、連載、講演などで活躍する一方、毎日星読みを行い、星々からのメッセージをSNSにて発信している。https://youtube.com/@yuji-universe
吉田昌生
マインドフルネス瞑想講師、作家。一般社団法人マインドフルネス瞑想協会 代表理事。瞑想、ヨガ、心理学を学んだのち、マインドフルネス瞑想の普及に尽力する。スポーツクラブのプログラム監修、企業研修、瞑想アプリの監修など幅広く活動。指導者の育成も手がける。著書に『〜1日10分で自分を浄化する方法〜 マインドフルネス瞑想入門』など。
www.youtube.com/c/Mindfulnes
Photos: Kaori Nishida Text: Kiriko Sano Editor: Rieko Kosai
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