オリビア・ロドリゴとBTSのVのシネマティックな掛け合い。
授賞式の序盤に登場し、スパイ映画をコンセプトに掲げたステージで会場を盛り上げたのがBTSだ。最優秀ポップデュオ/グループ・パフォーマンス部門にノミネートされた「Butter」のパフォーマンスで、大きな反響があったのはそのオープニング場面だった。
メンバーのJinは特設セットの一角から、Jungkookは天井から、そして他のメンバーたちは客席から登場する。最後にカメラに映し出されたVの隣に座っていたのは、新人賞をはじめとする3冠に輝いたオリヴィア・ロゴリゴ。Vが彼女の耳もとでささやくと、驚きの表情を見せる。Vは何を言ったのか、オリヴィアのリアクションは演技だったのかなど、多くの疑問は残るが、彼らの掛け合いはすぐさまネットで話題に。ちなみに授賞式前にレッドカーペットでのインタビューで、今後コラボしたいアーティストを聞かれたVは、「オリヴィア(・ロドリゴ)」と答えていた。
ビリー・アイリッシュがテイラー・ホーキンスを追悼。
フー・ファイターズは最優秀ロック・アルバム賞など3部門で輝いたものの、3月25日(現地時間)にドラマーのテイラー・ホーキンスが他界したことを受け、授賞式を欠席し予定していたパフォーマンスをキャンセルした。50歳で帰らぬ人となったテイラーは、ローリング・ストーンズのドラマー、故チャーリー・ワッツや故ミートローフらと並んで、追悼コーナーで生前の功績を称えられた。
また、ビリー・アイリッシュはテイラーの顔をプリントしたTシャツを着て、兄のフィニアスとともに「Happier Than Ever」をパフォーマンス。 雨が降りしきる演出のステージで熱唱し、パフォーマンスを終えた後、誇らしくTシャツを広げて追悼の意を示した。
負傷中のSZAに手を差し伸べたセレブたち。
「Kiss Me More」でコラボしたドージャ・キャットとシザが最優秀ポップデュオ / グループパフォーマンス賞に輝いた。シザは授賞式の数日前、ベッドから落ちて足を負傷。松葉杖をつきながらにステージに上がる彼女を見て、近くに座っていたレディー・ガガが長いチュールのトレインでつまずくことのないよう、ドレスの裾を持って彼女をサポートした。
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リル・ナズ・Xも、シザに手を差し伸べたセレブのひとり。バックステージで彼女の車椅子を押し、シザの“パーソナルヘルパー”になったとツイートしている。
ドージャ・キャット、受賞をトイレで知る。
なぜシザが一人でステージに向かったのか? それは受賞発表の瞬間、ドージャ・キャットはトイレにいたからだ。急いで会場に戻り、壇上に上がった彼女は開口一番に「こんなにトイレ休憩を急いだのは人生で初めて」と言いながら、ドレスを整えた。そして落ち着きを取り戻し、涙をこらえながら「私は多くのことを軽く受け止めがちですが、でもこれは本当に大きなこと。ありがとうございます」と感謝を伝えた。
デュア・リパ、メーガン・ジー・スタリオン、そしてドナテッラ・ヴェルサーチェのダイナミックトリオ。
新人賞のプレゼンターを務めたのは、かつて同賞に輝いたデュア・リパとメーガン・ジー・スタリオン。コラボ曲「Sweetest Pie」をリリースしたばかりのふたりは、お揃いのヴェルサーチェ(VERSACE)のドレスを着用し、「なんで衣装が被ったの?」、「私はエクスクルーシブなデザインだと言われた」などと言い合う。そんな彼女たちのコミカルな掛け合いが繰り広げられる中、デザイナー本人のドナテッラ・ヴェルサーチェが客席から登場し、その場でドレスのスカート部分を留めていたピンを外す。すると、異なるデザインになったドレスを互いに見たふたりは、満足して笑顔になるのだ。
この一連の流れは、1998年のビデオ・ミュージック・アワードでマライア・キャリーとホイットニー・ヒューストンのやりとりのオマージュだ。元祖ディーバたちがドレスで言い争うスキットはポップ史に残るシーンで、それを現代の歌姫ふたりが再現した。
ウクライナのゼレンスキー大統領によるスピーチ。
ウクライナのゼレンスキー大統領が授賞式にビデオメッセージを寄せ、ロシア軍によるウクライナ侵攻について訴えた。
「ウクライナのミュージシャンは、タキシードの代わりに軍服を着ています。彼らは負傷した人たちのために病院で歌っています。わが国は今、ロシアと戦っています。爆撃によってもたらされた静けさを、みなさんの音楽で満たしてください。今日、満たしてほしいのです。私たちの物語を伝え、この戦争の真実をSNSやテレビで語ってください。沈黙するのではなく、どんな方法でもいいから私たちをサポートしてください」
このメッセージの後、ジョン・レジェンドがウクライナ出身のミュージシャンのシウザンナ・イグリダンとミカ・ニュートンとともに、犠牲者に捧げられた新曲の「Free」を初披露した。
最多受賞者、ジョン・バティステのエール。
11部門にノミネートされたジョン・バティステは、年間最優秀アルバム賞をはじめとする計5部門を制覇し、今年の最多受賞に輝いた。年間最優秀アルバム賞のプレゼンターを務めたレニー・クラヴィッツが、彼の名前とアルバムのタイトル『We Are』を読み上げると、驚きの表情を隠せぬままステージに上がった。
「最高のミュージシャンなんていません。クリエイティブな事柄はすべて主観的なものです。これ(トロフィー)を本物のアーティスト、本物のミュージシャンに捧げます。一緒に頑張って、前に進もう。自分らしくね。それだけのことです」とスピーチを締めくくった。
Text: Radhika Seth Adaptation: Sakurako Suzuki
From VOGUE.CO.UK
