2月19日、ファッション界の第一線で70年以上に渡って活躍したファッションデザイナーのカール・ラガーフェルドがこの世を去った。1964年にはクロエのデザインを担当し、1965年にはフェンディとも契約。さらに、1983年にはシャネルのデザイナーに就任し、一方で自身のブランド「カール・ラガーフェルド」も立ち上げた。
彼のクリエイティビティはファッションの域を超えて、写真や映像のジャンルでも花開き、多くのキャンペーンビジュアルの撮影なども手がけた。また、猫好きでも知られた彼の愛猫シュペットは、世界一ラグジュアリーな生活を送る猫として有名だが、先日彼が撮影した写真集も発売され、話題を集めている。
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2019年のファッション業界は、「サステナビリティ元年」といっても過言ではないほど、業界全体が環境問題に向き合い始めた年だった。今年8月、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がG7サミットにおいて、地球温暖化の阻止、生物多様性の復元、海洋保護から成る、3つの野心的なサステナビリティ目標に取り組む「ファッション協定」を発表。この協定に、シャネル、グッチ、ナイキ、バーバリーなど、32グループ147ブランドが署名した。これらのブランドは、サプライチェーンの見直しやオーガニック素材の使用、アップサイクリングの実験をはじめとするさまざまな対策にすでに取り組んでいる。
また5月には、プラダグループが毛皮の使用廃止を宣言。毛皮に反対する動物保護団体「Fur Free Alliance (ファーフリーアライアンス)」と対話を行い、2020年春夏コレクションからブランド初となる毛皮不使用のコレクションを発表するとした。2020年のモード界は、ますますサステナビリティ・シフトが加速しそうだ。
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世界的写真家のピーター・リンドバーグが9月に死去。74歳だった。1971年よりファッション写真家としてのキャリアをスタートし、『VOGUE』をはじめとする名だたるファッション誌の撮影や多数のメゾンのキャンペーンビジュアルを手がけた。また、80年代後半〜90年代前半にかけては、ケイト・モスやリンダ・エヴァンジェリスタ、クリスティー・ターリントンなどのスーパーモデルたちを撮影した作品で知られている。メーガン妃がゲストエディターを務めた2019年9月号のイギリス版『VOGUE』では表紙を撮影。『VOGUE JAPAN』でも、2019年1月号表紙で女優のティルダ・スウィントンを撮り下ろしたほか、数々のファッションストーリーの撮影を行ってきた。
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コム デ ギャルソンのデザイナー川久保玲が舞台衣装を手掛けたウィーン国立歌劇場の舞台「オルランド(Orlando)」が12月に上演された。コム デ ギャルソンがオペラの衣装を担当するのは今回が初めてだ。「オルランド」は、現代のフェミニズム・ジェンダー研究に影響を与えたヴァージニア・ウルフの小説「オーランドー」(1928)を、女性クリエイターが集結してオペラ化した作品。
今回川久保は、オルランドの生き方に共鳴してコレクションを製作。パリで6月21日に発表した2020年春夏メンズのコム デ ギャルソン・オム プリュス、9月28日に発表した2020年春夏のコム デ ギャルソン、そして今回の舞台衣装を合わせて“オルランド三部作”と位置づけている。
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2020年春夏コレクションにおいて、ドリス ヴァン ノッテンと80年代のオートクチュールを彩ったクリスチャン・ラクロワの美の競演が実現。様々なコラボが展開されるファッション業界だが、久々のビッグサプライズとあって、パリコレの話題をさらった。今回のコラボは、ドリス自らがラクロワにオファー。4ヶ月の制作期間において、そしてショーが開催されるまで情報が明かされなかっただけに、SNSなどで一気に拡散された。
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9月のNYコレにおいて、自身が手がけるランジェリーブランド、サヴェージ X フェンティ(SAVAGE X FENTY)の2019-20年秋冬コレクションを披露した歌姫リアーナ。厳戒態勢の中開催されたこのショーは、Amazonプライム・ビデオでのストリーミング中継を行うため、ショーの模様は招待されたゲスト以外は完全非公開。スマホの持ち込みも禁止された。ステージでは、ブラックのランジェリーを着たリアーナが、パワフルなパフォーマンスを披露。プラスサイズ、義足、筋肉質、華奢なバストなどあらゆる体型や人種の女性ダンサーが起用され、ダイバーシティに満ちたショーとなった。
今年5月、リアーナーとLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンは、フェンティをラグジュアリーブランドとして展開していくと発表したばかり。今後は、パリを拠点にウェアをはじめ、シューズやアクセサリーなどを展開するとあって、ますます今後の活動に注目が集まっている。
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12月21日、「色彩の魔術師」と讃えられたファッションデザイナーのエマニュエル・ウンガロの訃報が飛び込んできた。86歳だった。バレンシアガ創設者のクリストバル・バレンシアガに師事した彼は、1965年に自身の名を冠したブランドをスタート。ロングドレスが全盛期の時代に、ミニドレスとサイハイブーツという挑発的なルックで一躍その名を業界に知らしめ、イヴ・サンローランやアンドレ・クレージュ、パコ・ラバンヌなどの同世代の気鋭デザイナーたちとともに、パリ・モード界を牽引する若い才能として高い評価を得た。1998年から2004年の間は、ジャンバティスタ・ヴァリのクリエイティブディレクターを務めていた。
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アレッサンドロ・ミケーレの幼少期の想い出が詰まったローマで2020年リゾートコレクションを発表したグッチ。会場のカピトリーノ美術館は、カピトリーノの丘に建ち、一般市民に公開された美術館としては世界最古のものと言われている。愛するローマにオマージュを捧げたルックに加えて、人工中絶を制限する法制度に反対するスローガン「My Body My Choice」をもテーマに掲げた。
女性の子宮モチーフを刺繍したドレスをはじめ、イタリアで中絶が合法化された「1978年5月22日」の数字もルックの中に見つけることができる。女性の自由を表現したデザインをあえてメンズモデルにも着用させた点からも、ミケーレの強い主張が感じられた。
彗星のごとく現れた新人モデルの美佳が、2020年春夏のランウェイで大活躍。18歳の日本人とフランス人のハーフモデルは、わずかキャリア2ヶ月にも関わらず、ルイ・ヴィトンをはじめ、9ブランドものショーを歩き、華々しいランウェイデビューを飾った。
今年、第15回目となる「VOGUE JAPAN Women of the Year 2019」とともに発表されたファッションシーンで躍進する新世代の女性1名を選出する「Rising Star of the Year 2019」を受賞。大きなピンクのリボンが施されたドレスを纏い、フレッシュな魅力を放っていた。
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今年創刊20周年を迎えた『VOGUE JAPAN』は、ミラノと東京の2都市でスペシャルパーティーを開催。国内外からセレブやファッショニスタ、ジャーナリストたちが駆けつけて大盛況となった。
ミラノのパーティーのテーマは、“#TOKYOGLAM”。9月に開催されたミラノコレクション初日の夜、パーティーのスタート直後からブルガリ ホテル ミラノは思い思いに“Kawaii”姿に身を包んだモデルや女優、ファッショニスタたちで溢れかえった。日本からは、森星やKōki,、CHIHARUといったモデルやデザイナーのトモ コイズミ、さらにはプリヤンカー・チョープラーやステラ・マックスウェル、イリーナ・シェイク、キティ・スペンサーら豪華ゲストもお祝いに駆けつけてくれた。
また、11月にグランド・ハイアット東京で開催されたパーティーのドレスコードは「レッド」。会場の入り口には、フォトショットを楽しみながら雑誌の20年の歴史を思い思いに振り返ることができる、創刊から最新号までのVOGUE JAPANのカバーが並ぶ巨大パネルが飾られた。また、ステージでは、ビヨンセに扮した渡辺直美が登場。「Beychella」のアクトを完コピしたパフォーマンスで会場の熱気を高めてくれた。