かつて、40代を過ぎたらハリウッドでは老婆役しかないと言われた時代があった。そんなことが嘘かのように、最近の新作映画で主役を張るのは見事なまでにOver40以上の俳優ばかりだ。
カンヌ国際映画祭で主演映画『Substance(原題)』のプレミアで、11分間のスタンディングオベーションを受けたデミ・ムーア(61歳)。9月のヴェネチア国際映画祭で久々のレッドカーペットに現れたアンジェリーナ・ジョリー(49歳)は、変わらない美貌を振りまいていた。彼女たちの姿はいずれも、美しさとキャリアには、ピークが何度も訪れることを教えてくれる。
「20代を過ぎたら旬は終わり」。――そのように言われる時代は過ぎた。さまざまな経験を経て自分らしさを開花させる術(すべ)を覚えた彼女たちは、むしろ最強の存在に思える。自分の若いときを振り返っても、若さで得したことって失敗が許されやすいということくらい。それよりも、経験が浅いことで軽んじられて発言権のないことを、悔しく思うことの方が、多かったように思うのだ。
翻って、現在ハリウッドで尊敬されている存在を改めて見てみると、ケイト・ブランシェット(55歳)にハル・ベリー(58歳)。歌手ならば、2月に20年ぶりにグラミー賞を獲得したカイリー・ミノーグ(56歳)の大復活も記憶に新しい。すごいのは、新曲『パダム・パダム』がTikTokでZ世代にウケて、若い人たちにも支持されていること。素敵なものは、年齢じゃない。それをみんな知っているのだ。
さらにヨーロッパに目を向けて見れば、シャルロット・ゲンズブール(53歳)にヴァネッサ・パラディ(51歳)、ペネロペ・クルス(50歳)など、熟した色香を纏った女優たちがたくさん存在する。皆若い頃ももちろん可愛かったけれど、今も憧れる魅力に溢れている。
おしゃれアイコンのクロエ・セヴィニーも50代になったというのも、驚きだった。今も年齢相応なんて気にせず、彼女は自分が着たい服を着て、誰よりもクール。同世代としてものすごくモチベーションがもらえる存在だ。
彼女たちに共通しているのは、特に若作りしたりせず、ひたすら、「今」の自分らしさを最大限に磨き、それが個性となって輝いているかのように見えること。そして仕事でも、常に自分のイメージに固執せず殻を破り続けていること。転がる石に苔は蒸さない、は、真実なのだ。
2025年には、57歳のニコール・キッドマンが28歳のハリス・ディキンソンとSMシーンを演じる映画『Baby Girl(原題)』や、グウィネス・パルトロウ(52歳)がティモシー・シャラメ(28歳)とキスする映画『Marty Supreme(原題)』が公開予定。現実の世界でも、44歳のジゼル・ブンチェンは38歳の武術家ホアキン・ヴァレンテの子を妊娠し、Over40がますます注目される1年になりそうだ。
Text: Moyuru Sakai Editor: Toru Mitani
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