レッドカーペットで話題をさらったタキシードドレス。
授賞式前のレッドカーペットを騒然とさせたのは、ビリー・ポーターの装いだった。LGBTQのコミュニティが舞台のミュージカルドラマ「Pose(原題)」でメインキャラクターの1人を演じる彼は、カーペット中継のレポーターだったため、いち早くドルビー・シアターに登場した。トップは、ブラックのタキシードスタイルのジャケットに蝶ネクタイだが、腰から下は壮大に広がったロングスカートという大胆なコーディネイト。デザインを手がけたのは、クリスチャン・シリアノ(CHRISTIAN SIRIANO)だ。
ビリーはブロードウェイでも活躍、2013年にドラァグクイーンの主人公を演じたミュージカル「キンキーブーツ」で、トニー賞ミュージカル部門主演男優賞に輝いた才能の持ち主だ。たくましい肩幅にキュッと締まった細いウエスト。男らしくて女らしい、ビリー・ポーターという“自分らしい”自由なスタイルで堂々とカーペットを歩いた彼は、間違いなくレッドカーペットの主役で、SNSでも大きな話題となった。
アカデミー賞後も続く、レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパーの噂。
クイーン+アダム・ランバートのライブで幕を開け、例年以上にパフォーマンスが見どころになったが、中でも話題が持ちきりだったのが、レディー・ガガとブラッドリー・クーパーによる歌曲賞候補『シャロウ〜『アリー/スター誕生』愛のうた』のパフォーマンスだ。
イントロが流れ始めると、最前列の席を立地、手を取り合ってステージに上がる完璧な演出。ピアノを弾くガガと見つめ合いながら歌っていたブラッドリーは、最後には彼女の隣に座ってデュエット。客席の9割以上が業界のプロフェッショナルなわけだが、演奏を終えてCMブレイク中に客席に戻った二人に向けて再度スタンディングオベーションが起きた。
また、パフォーマンス後には、SNSで二人の恋愛の噂が浮上。2月19日(現地時間)にクリスチャン・カリーノとの婚約を解消したガガは、現在シングル。ブラッドリーにはヴィクシーモデルの恋人イリーナ・シェイクと、2017年3月に二人の間に生まれた娘がいる。しかし、パフォーマンス時の親密さに、イリーナがガガのインスタグラムをアンフォローしていた事実など、エンタメ界では三人の関係が注目された。ところが、先日放送された番組「ジミー・キンメル・ライブ!」に出演したガガは、「SNSはインターネットのトイレのようなもの」と答え、映画『アリー〜』同様アカデミー賞当日の演出はすべてブラッドリーによるもので、一週間もの間二人で必死に練習を重ねたという詳細を語った。
ラミ・マレック、受賞直後に転倒のハプニング。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』(18)でフレディ・マーキュリーを熱演し、見事初ノミネートにして主演男優賞を受賞したラミ・マレック。授賞式終了直後、客席へ戻る途中にステージから落下して転倒、医療スタッフが駆けつけて治療を受けるハプニングがあった。
ラミは手にしたオスカー像を落とさないように必死で、床に倒れた時は驚いた表情だったが、周囲の人たちに助け起こされた。その後、バックステージで治療を受けたラミは幸い軽傷で、予定通りに授賞式後の記者会見もこなした。
大女優ヘレン・ミレン、インスタでオスカーの1日を公開。
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ジェイソン・モモア(映画『アクアマン』)と長編ドキュメンタリー部門のプレゼンターを務めた、デイムの称号を持つ大女優ヘレン・ミレンは入念な準備から始まった長い1日をインスタグラムに次々アップした。朝、ヘアドライヤーを手にしたスタイリストに手入れしてもらうすっぴんショットを投稿し、次はヘアメイクを済ませてドレスに着替え、綺麗にしてくれたスタッフたちと記念撮影。授賞式での出番待ち中、ずらっと並んだオスカー像たちの前でジェイソンとセルフィー。興奮のあまりブレブレのショットが微笑ましい。
ヘレンがチョイスしたのは、スキャパレリ(SCHIAPARELLI)のピンクのドレス。ジェイソンはカール・ラガーフェルドが最後に手がけた作品の1つとなったフェンディ(FENDI)のピンクのスーツだったので、ステージ上では「ハワイの神とイギリスの熟女が同じ色を着る時代になったのよ」とコメントした。ジェイソンも「ついに時代が変わりました」と応えた。
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今年のオスカーは、ピンクがトレンド。同じ鮮やかなピンクのブランドンマックスウェル(BRANDON MAXWELL)のドレスを着たサラ・ポールソンともバックステージでセルフィーを撮っていた。同じくプレゼンターを務めた同胞ゲイリー・オールドマンも捕まえてツーショット。締めのショットは、ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)のゴージャスなアクセサリーを強調するカット。「ありがとうハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)。今夜、女王の気分にさせてくれました」とコメントした。
パートナーのみならず家族同伴のセレブたち。
同伴者はパートナーや恋人の場合がほとんどだが、最近では両親や兄弟姉妹、あるいはわが子も一緒に家族で参加するセレブが増えている。
映画『アリー/スター誕生』(18)が7部門で候補になったブラッドリー・クーパーは、パートナーのイリーナ・シェイクと実母を連れて出席。これは、先日婚約解消したばかりのレディー・ガガからブラッドリーをガードするため(?)という説もあり、会場ではブラッドリーとガガの間にイリーナが座っていた。
プレゼンターを務めたマイケル・B・ジョーダンは、31歳になった今も両親と同居するほど仲良しで、授賞式に連れてきたのも母親。助演女優賞を受賞したレジーナ・キング(『ビール・ストリートの恋人たち』)も母と出席し、この日最初の受賞者となった彼女はスピーチで母への感謝を語った。
映画『ROMA/ローマ』(18)で監督賞など3部門を受賞したアルフォンソ・キュアロン監督は、15歳の娘と14歳の息子を連れ、主演男優賞候補だったヴィゴ・モーテンセン(映画『グリーンブック』)はパートナーでスペインの女優アリアドナ・ヒルと31歳になる息子ヘンリーと出席。助演男優賞候補だったリチャード・E・グラントも娘同伴。ズーイー・デシャネルは、父のケイレブが映画『Never Look Away(原題)』(18)で撮影賞候補だったことから、母や姉エミリーと家族総出で応援に駆けつけていた。
朝の6時まで続いたアフターパーティー。
授賞式終了後にあちこちで開催されるアフターパーティー。公式のガヴァナーズ・ボールでは、受賞者たちがオスカー像に名前を刻んでもらう。転倒ハプニングがあったラミ・マレックは、元気いっぱいでシャンパンのボトルを開け、脚色賞を受賞したスパイク・リー監督(映画『ブラック・クランズマン』)は、作品の大ファンを公言するバーブラ・ストライザンドと祝杯した。
『ヴァニティ・フェア』誌主催のパーティーには、マイリー・サイラス&リアム・ヘムズワース、プリヤンカー・チョープラー&ニック・ジョナス夫妻らも出席。2月初めにSNS上で親しげなやりとりがされ、急接近を匂わせていたノア・センティネオとリリー・コリンズが一緒に会場を後にしたことから、交際中? という報道も飛び出した。
主演女優賞候補だったメリッサ・マッカーシー(映画『ある女流作家の罪と罰』)は、なんと夫とアディダス(ADIDAS)の黒のジャージーに着替えて登場。3部門受賞の映画『ブラックパンサー』(18)に出演したルピタ・ニョンゴは、同作と「Time’s Up」運動にインスパイアされたザミール・カッサム(ZAMEER KASSAM) デザインの11カラットのダイアモンドの指輪(約1億3000万円)をつけて現れた。
セレブ御用達のホテル、シャトー・マーモントではビヨンセ&ジェイ・Z夫妻が主催する、超エクスクルーシヴな「ゴールド・パーティー」が開かれた。マハーシャラ・アリやレジーナ・キング、アルフォンソ・キュアロン、スパイク・リーら受賞者はもちろん、レオナルド・ディカプリオ、リアーナ、ジェニファー・ロペス&アレックス・ロドリゲス、ケイティ・ペリー&オーランド・ブルーム、ナタリー・ポートマンにセリーナ・ウィリアムズまで、映画界にとどまらない豪華メンバーが揃い、朝の6時まで続いたそうだ。
Text: Yuki Tominaga

